とかくに人の世は住みにくい。

夏目猫丸

作家が消える日。

 生成AIに8割を書かせた小説が、星新一賞の最終選考10作に残ったという話題が、旧Twitterで流れてきた。私は少しの驚きと、ある種の諦観とともにタイムラインを眺めていた。某評論家が予見するように、短編ならば近々受賞する作品も出てくるだろうし、いずれは長編もそうなるだろう。

 私が自作でルビに凝る(というかルビで「遊ぶ」)のも、「まだAIにはこういう創造性は発揮できまい」という対抗心からなのだが、5年後はこの程度の技巧ならばAIに取り込まれているかもしれない。

 ところで、AIが生成した文章を小説と認めるのにやぶさかではないが、そう指示した人は果たして「小説家」と呼べるのだろうか。私はせいぜい「オペレーター」と呼称するのが妥当ではないかと、意地悪く思っている。

 私が文章を書くのは「書きたいから」「楽しいから」であるので、これからも細々と続けていくとは思う。素人の、下手の横好きではあっても。しかしながら、これから10〜20年後は「作家と呼ばれる職業は消えているかもしれないな」とも思うのだ。


※2025年2月26日の近況ノートより転載。一部改稿。

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