ゴミクズで都合のいい僕たちだって生きてるんだ
dear_me
第1話 未確認生命体
2XXX年
東京都文京区にある古びたアパートの一室で、青年はベッドに寝転がりながらテレビをぼんやりと眺めていた。
画面には、ニュースキャスターが映し出されている。いつも通りの冷静な口調で、しかしどこか硬さのある声が室内に響く。
『東京都文京区にて、未確認生命体が発見されました。身長は推定10mとのことで、人に危害を加える可能性があるため、防衛省は文京区の閉鎖と生命体の調査を行うと発表するとともに、対象地域やその周辺に安全な場所への避難を呼びかけています。防衛省は午後2時から会見を━━』
青年は、ニュースキャスターの言葉を聞きながら、ふと笑みを浮かべた。
「ふーん。なんか面白そうじゃん。」
だが、その言葉とは裏腹に、彼の目にはまるで興味が感じられない。指でリモコンをくるくると回しながら、ただ退屈そうに画面を見つめているだけだった。
ニュースの内容は、世間的には一大事だろう。10メートルの未確認生命体。人類が未だかつて遭遇したことのない存在。こんなニュースを見れば、普通の人間ならば驚き、恐れ、あるいは興奮するかもしれない。
だが、青年にとってはただの“よくあるニュース”の一つでしかなかった。
「どうせ何とかなって終わりでしょ。」
そう呟くと、彼はリモコンのボタンを押し、テレビの電源を切った。部屋は静寂に包まれる。
特に予定もない午後、青年はそのまま伸びをすると、ベッドに体を沈めた。日差しが窓から差し込み、カーテンが風に揺れる。どこにでもある日常の風景。
未確認生命体?
文京区閉鎖?
防衛省の対応?
そんなものは、彼にとってどうでもいいことだった。
「……さて、昼寝でもするか。」
そう呟きながら目を閉じる。
──彼はまだ知らない。
この“未確認生命体”が、これからの文明に、とてつもない影響を与えることを。
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