第4話「チェック方法」

 宇宙人は、ボクのお尻のふきかたに興味をもち「ゆっくりとふいて、解説もしろ」と言った。


 ボクは言われるままに、いつものふきかたを解説した。

 排便の後、トイレットペーパーを四層にたたみ、手でもんでからお尻をふく。ボクはいつもシングルのトイレットペーパーを使っている。そのほうが感覚がわかりやすいのだ。


 最初は四層にしたトイレットペーパーを二つにたたみ軽くもんでから八層にして便をふきとり、次は三層にして、それを二つにたたみ軽くもみ六層にして肛門を。指圧のように肛門の周り肛門括約筋を押さえる。時間にしたら5〜10秒だろう。最近は痔はないので軽くもむ程度である。肛門を押さえてから普通にふく。

 ボクは後ろから前にふくが、女性は前から後ろにふくようだ。

 三回目もトイレットペーパーを三層にして二つにおりたたんで軽くもんでから肛門周りを指圧する。もちろんトイレットペーパーの上からの指圧である。指圧をしてから普通にふく、これで終わりである。


 宇宙人は、「排便の後、肛門を指圧するのは意味があるのか」と言うので、「痔になってないかをチェックするためです」と言ったら、「そのやり方で痔がわかるのか?」と言われた。


「肛門を押して痛ければ痔です。外痔はそれでわかりますけど、内痔は痛みがないので、この方法ではわかりません」と、答えた。

 間違ったことを言えば、宇宙空間に捨てられてしまう。こっちも必死である。


「この他にも痔のチェック法はあるのか?」と言うので「お風呂で湯船に浸かっている時に自分の肛門を押す方法がありますが、肛門に傷があるときは、あまりお勧めはできません」と言った。

「地球人は湯船の中で肛門を押しても何も言われないのか!? 私の家なら母親に怒られるぞ」と言っていた。

 ボクの家でも、湯船の中で肛門を押しているなんて言えば妻は激怒するだろう。だから妻には言ったことがなかった……



「オマエは痔の薬は使わないのか?」

 宇宙人は薬についてたずねた。

 ボクももちろん薬を塗っていた。

 少しでも痛みをやわらげるため痔の薬は必須条件だった。


「皮膚に塗る薬はお風呂上がりに塗ると、薬が良く染み込むと聞いたので、お風呂上がりで汗が引いたあたりで痔の薬を塗っていました。他にも排便の後も塗っていました」


「薬だけでは治らないのか?」


「ボクは外痔だったので塗り薬を使ってました。炎症を抑えるのに薬は必要ですが、薬を塗れば治ると言うものではないようです」


「オマエ、安い薬を使っていたのではないか?」

 宇宙人の言葉にギクリとした。

 確かに安い市販の薬を使っていた、有名な薬とくらべ、同じ量で半額くらいの薬だった。


「はぁ、安い薬でした……」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る