第32話 怒れる龍道 進

「お前らか?俺の大事な人達に危害を加えようとした連中は・・・」




階段から姿を見せた進は、階段を降りるとそのままファイター達の元に向かって行く




「な、なんだぁ・・・脅かしやがって・・無能のニートタレントのオッサンか・・」




「調子に乗って上まで行ったけど、大方中級の魔物にビビッて階段の陰にでも隠れてたな」




「まぁいい、お前は目障りだ・・先に始末してやるよっ!!」




そう言い切る前に連中の内の一人の大男は大剣を振りかぶり、進に向かって振り下ろす・・・が




「なぁぁぁ」




男の振り下ろした大剣は進の額に直撃したがその刃先は進の皮膚すら切り割けないままヒビが入り柄だけ残して粉々に砕け散る




「どけ・・」




進が男の腕を左手で掴んで振り払うと・・大男は吹き飛びホールの壁に叩きつけられ動かなくなる




「え?・・・なんだ?・・」




「進!」「すすむん!」




意識を取り戻した五月と雫が階段を駆け下りながら進を呼び止める




「!?五月、雫君!!無事だったか!?」




娘たちの無事な様子に思わず声をかける傑、その声に二人も気づく




「お、お父さん!?」「鳥居の小父様!」




進は横目で傑を確認するが、すぐハンター達に目線を戻しゆっくり近づいて行く




「お、お前ら盾を構えろ!!」




3人が対魔法耐性の盾を進に対し構える




進はハンターの方を指さし




「雷光 (全体攻撃)」【ドガァァァン】




周囲が激しい光と耳を劈く轟音に包まれハンターたち全員の頭上に雷撃が襲い掛かる




ハンターたちは対魔法耐性の盾ごと、黒い炭となりその場に倒れる




「あ、あれは何だ!?雷の魔法など聞いた事ないぞ!!」




一瞬の出来事に傑は驚愕して固まっている・・・・・・




進は、ゆっくり指先を下ろすとその場で立ち尽くす、その表情は見て取れないが先ほどまでの張りつめた怒りの感情はおさまった様だ




「進ぅぅぅ」「すすむん」




五月と雫が進の背中に抱き付く




「!?五月?雫?・・・」




「良かった・・・無事で・・・うっううううう・・」




その時、カシャカシャと金属の擦れる音と共に協会のロビーに純白の鎧を纏った集団が駆け付け、焼け焦げたハンターのなれの果てを見て唖然とする




「これは・・・・ん?・・鳥居・・・傑・・・これは・・・お前の仕業かぁぁ!?」




先頭に居たひと際派手な装飾の鎧をまとった男が呆然としている傑に気付き吠える




「てめぇぇぇ鳥居ぃぃよくも部下をぉぉ!!」




その怒号に傑もすぐに気付く




「十文字!?お前までここに!?まて!!勘違いするな!!」




「だまれぇぇぇぇ」




十文字は腰の剣を抜き構える、その刀身は薄い緑に輝き淡い光を放っていた




「くっっ・・聞く耳持たずか・・・」




やむを得ずという苦い表情で傑は杖を十文字に向けて構えるが、自身マジックポイントが枯渇しており初級魔法すら撃てない・・




「くらぇぇぇぇホーリースマッシュ!!!」




十文字は数メートルあろうかという距離から一気に傑に向かって剣を構え跳躍しその距離が詰まる




「お父さん!!よけてぇぇぇぇ」五月は傑に向かって駆け寄るがまだ完全に回復が追いついてない為、思うよに走れず途中で躓いてコケてしまった




(これまでか・・・・・)傑は必死に此方に手を伸ばす愛娘を横目で見ると、そっと目を閉じ覚悟を決める




【ガシッ】乾いた音と共に傑の首は・・・・




「てめぇぇぇ何者だぁぁぁ!?」




自分の首がまだ胴体と繋がってる事に驚きながらゆっくり目を見開くと、目の前には大きな背中が視界に映る




「ぐっっ・・・・」




進むは頭の上で両腕をクロスして十文字の一撃を受け止めた




「南斗さんの、ホーリースマッシュを素手でうけとめた!?」




「なんで腕が切り飛ばない?あり得ない!」




後ろの騎士風の集団は驚きと驚愕で混乱してる、十文字はギリギリと歯ぎしりしながら刀身を俺に押し込もうと力をさらに込める




「ぐっっ」鋭い痛みと共に徐々に俺の腕の肉に緑の刀身がめり込んでくる




「てめぇは誰だ、俺の一撃を素手で受け止められたのは初めてだ・・・真っ二つになる前に名前だけ聞いておこう・・・」




「人の話も聞かない・・表面の事しか見えない・・そんな獣みたいな奴に名乗る名など・・・ない!!」




進はクロスした腕を思いっきり押し返すと、その勢いで十文字は元の位置まではじけ飛ぶが華麗に回転しながら着地する




【神竜爪 (6連撃)】




進が手を竜の鍵爪の様に構えると、残像を残し一気に十文字の懐に飛び込む




「なっ!!早い!?」




しかし十文字も流石とも言うべき反応速度で剣を構える




【ガシッ・ガキッン・ガシッ・ガシッ・キンッ・バギッ】進の目にも止まらない6連撃を、何とか刀身でしのぐが




「なっ・・・ミスリルの刀身が折れた・・・・・」十文字は部分的にかけてしまった刀身を見ながら驚き戸惑って固まってる






その隙に進が拳に力を込めると一気に周囲の空一気に重くなり、目の前の十文字は圧力に耐えられず膝をつく、後ろの連中は床に倒れて呻いている後ろの部下をチラリと見やって進に視線を移す十文字




「こ、この・・力は・・・」




進が一歩足を踏み出すと、床に大きな亀裂が入る、そのまま腰を落とすと圧力に床面がクレーター状に陥没する




拳を腰の位置に引き正拳突きの構えをとると進の身体から発する圧でロビーの外壁にも亀裂が走り建物全体が激しく揺れる・・・




「な、南斗さん!!こんなの食らったら、俺たち消し飛びます!!」




「た、たすけてぇぇっぇ」「死にたくないぃぃぃ」




「くっっ・・」






【神龍の一撃 (ダメージ限界突破)】




進が渾身の一撃を十文字達に向かって打ち込む






「双方これまで!!!!」






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