第28話 運命の交錯する狭間

高崎主任は星奈達の言葉に反応し雄叫びをあげる様に叫ぶ




「うるせぇぇぇぇ!お前等ハンターにそんな事言えたことかぁぁぁぁ!!」




その様子は当初の沈着冷静なイメージとは大きくかけ離れ、目は充血し怒りに口元からは涎が零れる




「高崎主任・・・何故そこまで・・・貴方に何が・・・」




「真理恵!?ちょっと!進の様子が・・・」




≪何故だ・・何故だ・・何故だ・・・≫




「え!?進様・・・どうかしキャァァァ」「進!?何がぁ!」




突如俺の足元から渦を描くように黒い霧の様な物が激しい風と共に舞い上がり俺の身体全体を覆いつくす




「ここは・・・どこだ?・・・いや前にも来たな・・」




真っ暗な空間に俺の身体が浮いている、振り返るとあの時と同じ前の世界の俺がじっと俺を見つめてる




「と言う事は、お前も居るな・・・」俺が前方の空間を凝視すると、光の粒子が周囲に出現し一か所に集約されていく




『再び出会ったな・・・もはや時間が無い運命が交錯する狭間に至った・・』




「こんな所でお前と禅問答してる暇はない!今すぐ俺を戻せ!今すぐ助けなきゃならない大切な人達がいるんだ!!」




『慌てるなここは狭間の世界・・お前の言う時間という概念とは無縁の世界・・・しかし交錯してる運命には時間は有限だ・・』




「何が言いたい!時間は無限だとか有限だとか!お前の言ってる意味は訳がわかんねぇんだよ!!」




『呆れたな・・・何たる短慮・・何たる無知・・・この様な者が、選ばれし者とはな・・・お前も託す相手を間違えたのではないか?』




俺の後ろに控える元の世界の俺は俺を見つめながら優しく微笑んで首を横に振る




『まぁ良いだろう・・すでに運命は交錯しお前は選択する以外に道は無い・・既に帰りの道程は閉ざされてる、今ここで選択せよ』




「なぁさっきからお前らだけで納得して話を勝手に進めるな!俺は五月達を助けなきゃならないんだ!それ以外の道は無い!」




『よかろう・・それがお前の選択ならばを我を解放しお前の力として開放せよ』




「解放?開放?何を言ってる?」




≪もう一人の龍道 進よ・・これから俺たちは一つとなり融合する、これからお前は異世界の龍道 進でありこの世界の龍道 進であり・・・・≫




『我、すすむんである・・・今こそ解放を・・・お前に我も託す事にしよう・・・お前の道を進め・・』




そういうと俺の背後に居た龍道 進は微笑みながらその姿を消した、そして目の前にある光の集合体が俺に迫る必死に足を動かすが・・




「うわぁぁぁぁぁぁぁ」










「進様!?何があったのですか!聞こえますか!?」「ちょっと真理恵危ないって!」




星奈は黒い霧の渦に近づこうとする真理恵を羽交い絞めにして止める




その様子を見ていた人狼は大きな口元を吊り上げニヤリと笑うと、状況が理解できず動揺する高崎に告げる




「おい人間の協力者よ・・・その目に焼き付けろ・・・もうすぐ顕現するぞ・・」




「な、なにが?なにが出てくるのだ!?」




「ふふふ・・・はははは、これでいい・・・これで世界は混沌を迎える・・・」




「き、貴様・・何を・・・」




すると黒い霧の渦は突然その回転を止め内側より光の亀裂が走ると・・・




【パリィン】




黒い霧の柱は薄いガラスの様に砕け散ると、破片は空間に消えてなくなった・・・




中からは先ほどと何も変化の見受けられない龍道 進の姿が現れる・・・




「は、はは、ははは、なんだぁ・・・脅かしやがって・・・何が顕現するだ・・ただの無能のままじゃないか・・・おい・・一気に殺・・」




高崎が人狼の方を向くと、人狼の体毛は全身逆立ちその体からはおびただしい汗が蒸気となって空間を歪め揺らしている




「お、おまえ・・・まさか・・震えてるのか・・・」




「くっくく・・・あれは・・正真正銘の化け物だ・・・」




光が収まり俺の姿がハッキリすると、星奈の拘束が緩まった所で真理恵が進の元に駆け付ける「進様!」




真理恵が進に触れる直前に、進の目が急に開き










「竜の瞑想」








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