第20話 混ざるものと融合するもの

【ま、まて、俺をみのがせ こいつらはお前に返す おれはこの森から出ていく 俺をたすけろ】




俺は周囲の様子と返り血で染まる自分の姿を見て、血の溢れる右肩を押さえる人狼に言う




「お前の言う事きく理由は俺には無いな・・」




俺は人狼に歩み寄ると、人狼は目にも止まらない速さで女性達の元に飛び掛かり五月と雫を抱きかかえる




「おまえ・・・その子らに手を出してみろ・・・この世の全てを呪いたくなるような苦痛を味わしてやる・・・」




【ゲヘへへへ・・やってみ・・!?そ、そんな・・・まさか・・まってくれ・・ぎゃぁぁぁぁ】




抱えていた五月達を地面に落として頭を抱え苦しみだす人狼・・・




「う、う・・・・ん・・五月・・?」「し、雫!!良かった・・・・じゃない!・・立ってぇぇ」




そう言うと雫を引き上げて立たせると二人は俺の方へ向かって走り出す




【ケッ、た俺から逃げるのかぁw折角俺の女にしてやるって言ってんのによぉ】




「危ない!!」




おれは咄嗟に二人の元に駆け寄り人狼との間に割り込み両手を広げて庇う




【ズブッッ】腹部に鋭い痛みが走る・・・




「グハッ」俺の口から血が噴き出る・・・




【あ~あぁ、急に飛び出して来た、おっさんがぶつかってくるからぁ~、アハハ、刺さっちゃったねぇ♪キャハハ】




この感じ・・このセリフ・どこかで・・・・




「進!!」「すすむん!!」




後ろで雫が治癒魔法の準備をはじめた・・・




【おいおい、俺の事忘れたとは言わねぇよなぁ自分を殺した相手を忘れるとか寂しいじゃねぇかぁなぁおっさんw】




「ま、まさか・・・お前は・・・あの時コンビニで俺の事を刺した・・・」




狼は片手を広げてゲラゲラと笑いだす




【ご名答!ようやくこっちの世界の俺と混ざったぜぇぇぇ】




「混ざった!?(雫の治療が効いてる・・傷も塞がってきた・・)」




【ああ、お前と同じだぁ俺もこの世界の自分に混ざったのよぉ】




「混ざった・・この世界の俺と・・・うっ!!頭がぁ」




【あぁん?どうやらお前は・・俺たちとは違うようだ・・・混ざってるというか・・・融合・・・?】




「お、俺は・・・あの時・・・公園で・・・お前に・・・殺されて・・・・・あ、頭が!!」




【ギャハハハこれは良いぃ、ここは見逃してやるよ!近いうちにまた会いにいくからなぁおっさんw】






そう言い残し人狼は森の中に消えていった・・・・・






「・・・・五月・・雫・・・無事か・?・・・・・」




俺はそのまま意識を失った・・・






「ここは・・・・」目を覚ますと満点の星空にふと五月の顔が覗く




「気付いた?進あの後気を失って・・・」




おれはどうやら気絶して五月に膝枕をしてもらってたみたいだ




「あ、すまない・・・起きるよ・・・」「あっ・・・もう少し・・このままで]




起きようとして五月に頭を押さえられ膝の上に戻される




「皆は・・・・・」「私はここにいるわよすすむん♪」どうやら五月の横には雫が居て俺の治癒をしてくれてた様だ




「気づきましたか?進様・・・あの時は本当に助かりました・・・なんとお礼を言えば・・」真理恵さんが深々と頭を下げる




「そ、その・・・私らも・・・助けてもらって・・有難う・・」「本当に・・屑と全然違う・・・なんと言うか・・・カッコいい・・」




角の奥さん達も無事の様だ・・・・




「あ、あの奥さん・・角さんは・・」俺が聞くと不機嫌な顔をして顔を向けると・・・無残な白骨となった死骸が見えた・・・




「・・・・も、申し訳ありません・・・俺がもう少し早く助けに来れたら・・・奥様達には何と言えばいいか・・・」




俺が膝枕された状態で頭を軽く下げると、二人は顔を赤く染めて目を潤ませて




「いいのいいの!進君のせいじゃない、それに私らを餌にして自分だけ助かろうなんて本当に最低よ!それより私は星奈って言うの、タレントはマジシャン、星奈って呼んで♡」




「あ、あの私は由利って言います、ヒーラーです・・私の事も名前で呼んでください♡」




「あ、ああ・・はい、わ、分かりました・・・でもその前に角さんとシーフの方の遺体を供養しないと・・・」




奥さん達はお互いに顔を見合わせて少し苦笑いして俺に向き直り頷いた




俺は地面に穴を掘ると二人の遺体を埋めて奥さん達に近くで花を摘んできてもらって墓前に供えた・・




「・・・角さん・・貴方の犠牲のお陰で女性達は無事でした・・・・本当に有難う御座います・・」




俺は墓前に深々と頭を下げると「・・・・・・」「・・・・・まぁ・・そういう事にしとこうか・・」




俺は翼さんを俺の胸元に抱きかかえる様優しく布で固定すると、皆の荷物を背負った




「日も暮れてます・・・真理恵さん急いで町に戻りましょう」




俺の言葉に他のメンバーの顔を見渡して準備が出来てる事を確認すると俺に向き直り




「では、進様・・回復したばかりで申し訳御座いませんが周囲の警戒をしながら誘導をお願いします、鳥居様と角・・・星奈様はエンカウント時に備えて呪文詠唱待機で」






それから帰りの道をうろ覚えながら迷わずすすむ、道中蝙蝠の様な魔物に襲われたが真理恵さんの指示通りエンカウントと同時に魔法を打ち込み順次駆逐して行った




「へぇ子供にしてはやるじゃない・・・名前は?」




「ふん!鳥居 五月よ、こう見ててBランクだからアンタと同じランクよ!」




子共扱いされて不機嫌な五月は星奈さんへのアタリがきつい、そんな五月の耳元に近寄り星奈さんが何か言う




『進君は私が面倒みるから♡』




星奈さんの顔を睨み付け何か言いたそうにしているが、手をヒラヒラさせて俺の元に来て




「ねぇ♡進君は今一人で住んでるの?彼女は?好きなタイプは?」




「え、いや・・・どうしたんですか?星奈さん・・・・急に・・」




「ええ―――だって今度助けてくれたお礼♡しなきゃね♪」




五月&雫「・・・・・・・・・・」








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