第21話
「このみー、電話よー」
遠くから母の声が聞こえた。私は急いで山を駆け下り、家に帰った。
「電話?誰から?」
息を切らせながら居間に飛び込むと、母が受話器を持ったまま立っていた。
「ええとね…『二宮』ゆぅ男の子よ」
「…な、なおっ…!」
私はあわてて母の手から受話器をもぎ取った。母は呆れ顔で台所へと去っていった。
「もっ、もしもし、尚輝くん?」
「…お前さ、ケータイぐらい買えよ!俺、今うっかり、お前のお袋さんに話しかけそうになっちまったんだぞ?」
いきなり、尚輝の焦った声が聞こえた。
「じゃけど、どうせこの島じゃケータイは圏外なんよ?」
「…ああもう、田舎はこれだから…」
「それより、何の用なん?尚輝くん」
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