第13話 瘴気の幼女吸血鬼
前回のあらすじ! 王都アルカディアから強制転移させられ、森でアマゾネス一族に捕まり、森の精霊を助けるためにアマゾネスのエレイン「首しめドS」に連れられて、俺とエルフのお姫さま「ババア転生者」は目的地に向かって歩いていた‼
「ねー、つかれたよー」
「まじで、キッツい……」
エレインは、慣れてるからサクサク歩いていくけど、俺たちは汗だくだぞ。 ケツぷりぷりさせて歩きやがって!
「仕方がないな。 ここらで休憩するか」
やりぃ! 待ってました。 はぁぁぁ、疲れたわ。 何時間歩いたと思ってるんだよ。
「なぁ、森の精霊を助けるって具体的にはどうするんだ?」
「最近、この森の奥には瘴気が発生していてな。その原因のヴァンパイアを退治する」
ヴァンパ!? あ! もしかして、それって。
「あのー、それって俺たちも戦力的には……」
「入れているぞ?」
むりむりむりむりむり。 ヴァンパイアって、どの設定でも上位の種族だろ!
「友也くん頑張ってー」
おめーも頑張んだよ! 他人事みたいに言うな。
「対抗手段の聖水はたくさん持ってきている」
おぉ! リスカの呪いも解除できるほどの聖水があればイケるか?
「それよりも、トモヤ!」
ぶべっ! なんでほっぺた引っ張るんだ! いででで。
「お前は私の婿に来るんだから、もっと私に尽くせ」
なんで、そーなるんだ!? はやくも鬼嫁だ!
「ブゥハハハッ、良かったですねぇ。 友也くん?」
うぜー! こいつ超うぜー、ひっぱたきてぇ。
「足が疲れたぞ。 さぁ、揉め」
……えっ、いいんですか? 合法ですよね? おぉ! ……筋肉質ではあるけど、ただ細い足よりもプリプリしててハリがたまらん! ふくらはぎとかは力入ってないとおっぱいみたいにポヨンポヨンだぁぁ!
「ん、いいぞトモヤ、ふともものほうも」
はいぃぃぃ! スルスルスルっと指をあげてぇぇ。
「ストーーーップ!!!!!!」
なんだよ!? 邪魔すんな! くそエルフめっ。
「ちっ、やはり人が邪魔だな! この件を片付けてトモヤを好き放題にしなければ」
えっ!? こういう感じなら、ぜひお願いします! 全力でがんばります。
「行くぞエルフババ。 精霊が俺たちの助けを待ってるぞ!」
「うわー、めっちゃきもいよー友也くん……」
◇
「……なんとなく空気が重くないか?」
「ヴァンパイアの瘴気だ。 いつ出てきてもおかしくないから気をつけろ」
おい! なんでエルフのお前が後ろに隠れるんだ。 転生特典とかで魔法くらいあるだろ。
「……誰だ!」
――ひぃ!? いきなり大声出さないでエレインさん! 俺の心臓はガラスよ。
「なんだよ、誰もいないじゃないか」
「下がれ。 よく見てみろ、あれはヴァンパイアが存在を薄くしている」
存在を薄くしている? ふぅ。 ――唸れ、トモヤアーーーイ!!
「あれは!?」
「見えたか!?」
「見えません!」
いてっ! 何も頭叩くことはないだろ…… こっちだって真剣に見ようとはしてみたんだからさ。
「よくわかったなぁ、森の獣風情が」
おぉ! なんかいきなり際どい格好の幼女が出てきた! 胸ペタンコなのに布面積少なすぎてエッチだなぁ。
「お前が瘴気の原因かヴァンパイア!」
「なんじゃ貴様ら。 んっ? お主……美味そうじゃの」
ヒィィィィなんで俺のほう見るの!?
「お、俺なんて食っても旨くないぞ!? このエルフのほうが絶対美味しいんだからな!」
「なんで私!?」
「いや、エルフなぞクソじゃ」
ヒィィィィ俺に決定されてるぅぅぅ。
「コイツは私の婿だ。 絶対にわたさん!」
ドッキュン。 エレインたまぁぁ!
「邪魔じゃ!!!!」
「がっ………………」
えっ……うそだろエレインが一撃!? コイツの圧迫感はレスティア級か! 戦えるのは俺だけか。 くそっ覚悟決めるか!
「ヨシ! あのーヴァンパイアさまぁ? えへへ、ちょっと交渉でもしませんかねぇ……えへへ」
「な、なんじゃ、いきなり」
必殺技・交渉! 戦っても勝てないならこうするしかねぇ
「あのー、森の精霊が瘴気で私たちぃ困ってるじゃないですかぁ? なのでぇ、ちょっーとこの森から離れていただけないかなーってお願いがありましてぇ えへへ」
「ふむ、別に離れてもよいのじゃがの」
「ならぁ」
「めんどいのじゃ!」
あぁん! ふっざけんなよくそロリがぁ! 下手に出ればつけあがりやがってそのケツ百たたきしてやろうか!
「い、イヤーそこを、なんとかぁ」
「対価を要求するのじゃ」
対価? あれか生贄とかか? くそっ、何を要求してくるつもりだ……。
「お主の血を毎日吸わせてくれるならよいのじゃ」
イヤです。 イヤイヤイヤ! 確かに自分でも変態チックなところはあるけどさすがに血をあげるとか性癖はないわ。
「無理やり吸うよりも望んで我に血を捧げたほうがエロいし、美味いのじゃ!」
「いいじゃないですか、血くらい。 友也さん男でしょ?」
よくねーわ! 毎日ってたぶん期間限定とかじゃないだろ? 一生とかだろ? ヴァンパイアってほぼ寿命ないよね?
「うぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ……………わかりました…………」
「おほぉぉぉ、やったのじゃ! ならさっそく契約なのじゃ!」
――っ!! 噛まれるってこんな感じなのか…… 皮と肉がプチュって分かれる感触がなんともそれに。
「プチュル……ズルゥ……ピチャ……」
き、傷にしみるぅぅ。 飛び上がるほどの痛みはないけど、くすぐったさと傷をやわらかい舌でなんども血をこそがれるの気持ちいいけどめっちゃしみるぅぅ。 新たな境地がぁぁキモシミィィ!
「ぷはぁ……うむ、絶品じゃったの!」
「そっ、そっすか」
……傷口洗わないとな。 絶対ばっちいだろ。 アニメとかだと吸って終わりだけどさ、よだれとかそのままにしておいたら絶対くさくなるだろ、コレ。
「契約完了なのじゃ。」
「あー……ありがとうございます」
一件落着だけど、大事なものを失った感じがする。
「では瘴気を吸い込むかの!」
おぉ! すげぇ! 空気の淀みみたいなのがなくなっていくぞ。
「さすが、ヴァンパイアだな!」
「今回は友也くんの活躍だね」
何いい感じで締めようとしてんだぁぁぁ! 何もしてないやつが!
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