最弱チートスキル【女たらし】で世界最強の彼女たちに狙われるのだが!!
ラッキーストライク
第1話 異世界召喚
突然だが、異世界召喚されたようだ。
学校の授業が終わって放課後にスマホの動画を観ていたところまでは覚えてる。
それが、いきなり豪華な広間にいるんだ。 これはもうあの展開しかないだろ!
俺の名前は
「ようこそ勇者の皆さま、王都アルカディアへ」
声をかけてきたのはサラサラの銀髪と白い肌に気怠そうな瞳をしていて、肉付きが薄くオタクの心を揺さぶるほどの美少女! なるほど、これは王道の魔王倒してくれってやつか?
「あの、これは一体どういうことでしょうか?」
俺の他にも召喚されてる奴らがいるのか…… 申し訳ない、巻き込んで悪かった。
って、おい! いきなり王女っぽいのに近づく奴がいるか。 怒られるぞ。
「下がれ! こちらにいらっしゃるのは、フェルト・レーゼンブルグ・アルカディア陛下のご息女ユミナ王女殿下だぞ。」
ほれみろ。 バカだね~、モブがいきなり近づいたら剣を出されて止められるに決まってるだろ。 普通よ、ふつう。
「おやめなさい。 勇者の皆さま、不安でしょうがお聞きください。 ここは皆さまがいた世界ではありません。 そして魔王を倒さなければ元の世界には帰れません」
やっぱり、魔王倒してくれくれパターンか。 そうだな、勇者か賢者あたりの職業を引き当てれば余裕だな。
「俺たちに魔王を倒せって」
「なんで私たちが」
「お家に帰りたいよ」
お前らそんな泣くことか? むしろこの状況は俺にとって……最高だぜぇ!
「ひゃっほー! やっと俺の時代が来たぜ!」
漫画やアニメで夢みていた異世界だ! ついに俺の番が来たよ。
チート能力を使って剣や魔法を自在に使いこなして俺tueeeして美少女たちとキャッキャうふふな妄想がふくらむぞ。 ワクワクが止まらねぇ。
「さて、王女さま、定番のステータスチェック行っちゃいますか!」
皆キョトンとしてしらけてるけどな、俺の高ぶりを止めることは誰にもできないんだよ! ヘイヘイヘイ。
「……で、ではこの水晶に手をかざしてください」
キマシター! お約束の水晶チェーーック! 楽しみだ楽しみだ楽しみだ。
「お先にどうぞ、レディたち?」
こういうのは最後にやるのがセオリーなんだよな、後ろのほうが最強のステータスや職業が出やすい傾向にあるのを、何かのライトノベルで見たんだ!
「なら、俺から行かせてもらうよ」
女騎士にビビってたやつか、お前は五点だよ、最初から良いものが出るわけないだろう? お前は戦士がお似合いだ!
「これは!」
水晶が虹色に光り、空中にステータス画面が現れた。
【
「へっ?」
ゆゆゆゆ、勇者だとぉぉぉぉ!? 初っ端で勇者を引きやがった! 嘘だろぉぉぉミスったァァァァ! あのライトノベルの作者ブッコロス!
「我がアルカディアには昔からの伝承があります! 七色の勇者が異世界の門より現れるとき世界は再び平和になるであろう……」
伝承はじまった!? なら、この優柔不断そうな男がこの世界の伝説作っちゃうってことかよ! あばばばば、まだ焦るときじゃあない。
「つぎは私たちが行きます!」
落ち着け、落ち着くんだ。 確かに勇者は取られたけど、まだ最強の魔法職業は残ってるじゃないか! そう……
【
【
とーられちゃったーよー、あはは、ぼくのけんじゃーこれはゆめだー。
あはは! 太陽ってもうヒロインじゃーん、俺とつきあって―! あはは。
「はっ、まずいぞ……」
異世界3大職業がそろってしまった! 勇者パーティーに加入する職業と言えば戦士とか暗殺者だけど、せっかく来たのに、イヤだイヤだイヤだ! 俺もカッコいいのがいいよー!
「では、水晶に手をかざしてください」
頼む頼む頼む頼む! 良いの出てくれ神様、お願いしますお願いしますお願いしますお願いします。
「これは!」
俺の目の前にステータス画面が現れた。
【
「…………」
終わりましたわ!
あはは、俺の輝かしい異世界生活は終わりました。
無職、さらに女たらしってなんですか? これで魔王倒せるなら特典いらないだろ!
「ぷっ」
あっ、王女笑ったな? 俺コイツ嫌いだわ、人の痛みわからない系の人間だ。
「では、勇者の皆様は、王の間にお越しください」
王女は俺たちに「陛下に謁見していただきます」と、案内を始めていた。
俺はハズレスキルを獲得したことに、ため息をついていると。
「待て」
女騎士に呼び止められ、腹にドスンと衝撃が来た。
「ぐえっ……」
よだれを垂らし、無様に膝をつく俺を見て女騎士は「無能はいらないな」と呟き、そそくさと他の騎士たちが俺を抱え、急いで城の外に放り投げて城に戻っていった。
「ぐっ……なるほどね、召喚に巻き込まれた役って感じか」
腹を殴られた痛みで出たよだれをブレザーで拭い、もう一度だけステータスを見てみるが「無職」それに「女たらし」の文字は変わらない。 くそっ……。
最弱のスキル・【女たらし】を手に入れただけの残念な一般人だと、ようやく理解した俺はこれから異世界で、どう生きるかを必死に考えていた。
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