第13話 ポルシェ

 原生林の夜明け、三人はデスノートを手に、島の管理施設を後にした。空は徐々に明るくなり、長い夜が終わりを告げようとしていた。

「…これで、本当に終わったのか?」

 影沼が、疲れた声で呟いた。

「…ああ、終わった。デスノートは、もう二度と悪用されることはない」

 赤坂が、力強く答えた。

「…だが、まだ安心はできない。この島で起こったことは、決して忘れられない」

 島野が、重い口を開いた。

 三人は、しばし沈黙した。それぞれが、この島で経験した出来事を振り返っていた。

「…帰ろう」

 赤坂が、静かに言った。

 三人は、島の出口へと向かった。そこには、一台のポルシェが停まっていた。

「…ポルシェ?」

 影沼が、驚きの声を上げた。

「…この島を管理している組織の車だろう。我々を迎えに来たんだ」

 島野が、冷静に言った。

 三人は、ポルシェに乗り込んだ。車は、静かに走り出し、島を後にした。

 車窓から見える景色は、美しい原生林だった。しかし、三人の心は、まだ重く、晴れることはなかった。

「…この島で起こったことは、決して忘れられない。だが、我々は、前に進まなければならない」

 赤坂が、遠くを見つめながら言った。

「…ああ。この経験を糧に、より良い未来を築いていく」

 影沼が、力強く答えた。

「…そうだ。我々は、この島で得た教訓を、決して忘れない」

 島野が、静かに言った。

 ポルシェは、目的地へと向かって走り続けた。三人の旅は、まだ終わらない。

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