第8話 据え膳食わぬほどバカじゃない
初めての異世界ショッピングを控えた前夜。俺とルナは、誰のものかよくわからない鞄の中にあった財布から金を出して床に並べた。
全て硬貨で、紙幣は無い。財布ごとにいくつかデザインが異なったものも入っていて、どれが新しくてどれが古いのかさえわからない。それぞれがどれくらいの価値なのかもわからない。
まあ、財布に収まるくらい持っていけばどうにかなるだろう。
「ルナは何か欲しいもんある? 必要なもんとか」
「……カイが、おうちに置きたいもの」
「ルナが置きたいものはねーの?」
「カイが置きたいものが、わたしも欲しい」
多分それは、ちゃんと帰ってきて欲しいというメッセージなのだろう。ルナには誰かに置いていかれた経験があるのかもしれない。
ちょっと重たいし、大袈裟だなと俺は感じてしまうが、ルナの不安を否定する気はない。ルナをバケモノなんて呼び方をして森に置き去りにした奴が悪い。人混みを怖いものだと彼女に思わせた何かが悪い。
ルナは俺を無条件で家に置いてくれて、出所不明とはいえこうして金まで出してくれた。それに付き合い始めたばかりで同年代の女の子を、彼氏としてしっかり寄り添って支えるべきだ。一生守るって誓ったし。
案外俺もかなり情が湧いている。初めは顔やら見た目が好みなくらいだと思っていたが、ルナは健気で可愛い。付き合い始めたら雑になるようなタイプの女の子ではなく、いつも俺のことを気にして、俺の世話をしてくれる。尽くしてくれる感じの子だ。
「あのね、カイ……今日ね、わたし」
ちらりと視線を上げては下げ、目が合ったり逸れたり。もじもじしているルナに手を伸ばし、頭に手を置いてぽんぽんと撫でる。
「んー? 何?」
「今日……カイと一緒に寝ても良い?」
……来た!
スエゼンなんちゃらなんちゃら、男の恥。とかいう諺があった。ような気がする。
「ルナがそうしたいって思ってくれんなら、良いよ」
俺は甘えるように近寄ってきたルナを更に引き寄せ、頬を撫でた。うんこ座りだった姿勢を、ちょっと行儀良く片膝を床に付けた座り方にさりげなく変える。
ルナは俺の掌に頬をぴとっとくっつけて、潤んだ瞳でこちらを見つめる。キスしやすいように少し上を向かせると、ルナは目を閉じた。
俺はいつもより長めに、何回かその唇にキスをした。それからベッドに彼女を誘導しようと、彼女を支えるようにして二人で立ち上がる。
ルナはがっつかれるのと、余裕を持った感じにリードされるのとではどちらが好きなんだろうか。
これまで世話になったお姉さんたちはみんな「初めて」ではなかったから、どっちが好き? なんて聞けば良いだけだったが、多分、ルナは初めてだろう。どっちが良いのか、本人もよくわからないかもしれない。
俺専用の寝室と化している部屋に入ると、俺は無意識に、当たり前のように服を脱ぎ始めていた。
脱いだトップスを適当に放ると、先にベッドに座っていたルナが目を丸くしていた。肩を竦めて身をかがめ、警戒した猫のようになっている。
「ん? どした? 怖くなっちゃった?」
「な、なんで脱ぐの……寒くないの?」
言いながら、ルナは俺の体をジロジロと見ている。暇潰しが筋トレしかないイケメンの俺って、かなり罪な男だ。
「ルナのエッチ」
「エッチ?」
「やらしいってこと」
俺はベッドに上がり、ルナの肩を強すぎない力で押した。ボフッと倒れたルナに覆いかぶさるように、その唇を奪う。
ルナの唇は柔らかい。表面はしっとりと柔らかく、カサつきとかひび割れも無い。
「ん……んん」
キスがいつもと違うからか、ルナが漏らす声が少し多い。くぐもった声に、甘い吐息が重なる。俺は躊躇することなく、その可愛い口内に舌を入れた。
ルナは驚いてはいるようだが、すぐに夢中で俺の舌に甘えるように舌で触れる。抱擁でもするように絡めているうちに、ルナの舌は俺の口内にまんまとおびき寄せられた。
可愛い舌を吸ってぐちゃぐちゃに舐めて甘噛みし、手をゆっくりと彼女の胸へ滑らせると、びくっとわかりやすく体が跳ねる。
この世界にも、一応ブラ的なものはあるらしい。胸当てとして、少し厚手の布の感触があった。
俺はルナの舌を解放すると、首筋から鎖骨までキスをする。それからリボンやら何やら解けるものは解いて、こぶりな胸を露わにさせた。
ルナは「いや」だの「やだ」だの言いながら、俺の動きを止めようとしない。恥ずかしそうに、まんざらでもなさそうに俺を見ている。
細いと思ってはいたが、いざ脱がせてみると、華奢な胴体に浮いた鎖骨と控えめな二つの膨らみはとても整った形をしていた。ガリガリというほど痩せ細っているわけではない。
「ルナ、すげー可愛いよ。綺麗だ」
「見ちゃだめっ、カイ、恥ずかしいから」
滑らかな柔肌に可愛いアクセント。指で撫でただけでルナは聞いたこともないような声を上げて体を揺らした。
こんなに柔らかい場所に、なんでこんなに硬いものが付いているのか、イマイチ俺にはわからない。しかも人によって感度がまちまちで、ルナは特に敏感なようだ。
正直、それだけでこれほどまでに乱れる女は初めて見た。その部分ってガキが産まれたら吸わせるとこなのに、本当にそんなことできんのか? というくらいルナは喘いで体を震わせている。
まるで快感を得るためだけに付いているみたいだ。ルナは本人が言うように実は本当に魔物ってやつで、ガキなんか産まないのかもしれない。 そんな考えがふと過ったのとほぼ同時に、俺に両方のツマミをこねくり回されてたルナがひときわ甲高い声を上げてビクンと揺れた。
「〜〜〜〜ッ!」
「……は? 嘘だろ、まじかよ……これだけでイクとかある?」
少しばかりいじりすぎたのか、淡く薄い色をしていたものが、じゅわっと赤みを濃く増していた。
やけに甘ったるい匂いは、彼女の汗によるものだろうか?
ハアハアと息を整えている蕩けた顔に貼り付いた髪の毛をどかして、その生え際にキスをする。
「カイ……もう、わたしの負けらから……もう降参すゆから、お願い、変になっちゃうから、もうやめて……」
「んなこと言うなよ、ルナ……ほら、もっとイイだろ、こことか」
白い艷やかな布の中身を触る。言葉とは逆に無抵抗なままのルナを全部剥き出しにして、俺は彼女の全身を味わった。
不思議なことにルナは俺が今まで舐めたことの無いような甘い味のする女で、どこに舌を這わせても不快感がない。
しかもやたらと感度がよく、ちょっと音を立てて強くするだけで、次々に奥から甘いものが溢れ出てくる。
「ごめ、なひゃ……もうっ、だめ、降参ひゅる、ごえんなひゃい! そんなとこ、だめぇ、らめなのっ! 負けちゃうのっ!」
「はっ……おい、ルナ。気持ちいい時はそう言えよ。それじゃあ俺が虐めてるみたいだろ? それともルナは気持ち良くない? 指でも触ってやる、ほら」
「きもちいからっ! きもちいのっ、ゆるひて、ゆるひて、おかひくなっちゃう、負けちゃうから、ごめんなひゃいっ、もうわたしの負けなのっ、負けだからっ!」
「じゃあ、いっぱい負けような。負けちゃうの気持ちいいな? もっと負けろ、負けちまえ」
ルナは可愛い。必死に縋ってくる欲しがりのルナに、俺もだんだんと我慢ができなくなっていった。
そうして、俺とルナは初めて一つになった。
長い、長い夜だった。
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