第5話

メアリーの様子がおかしい気がするが、寮に帰ることになった。

案内を交えながら話し、寮の部屋に着いた。


『ここが部屋よ、一応カーテンで分けられているからね、そして鍵がこれで』

「ありがとうございますっ!エリザベス様と一緒の空間にいられるなんて夢みたいですっ♡」


…自意識過剰と言われるかもしれないが、メアリーは私のことが好きなのだろうか

元々人懐こいだけなのだろうか…謎である。


メアリー視点________________

あぁ。夢みたいだ。

エリザベス様は憶えてないだろうが、幼少期に私たちは会ったことがある。


『ぐすっ、ぐすっ』

「どうしたの?」

泣いている、私の前に現れた、救世主、いや、女神がエリザベス様だった。


『聖女、だから、ね、いじめられるの、みんなと、ちがう、って、こわいって、』

「そうなの…けど、私は、あなたがすきだよ?」

『なんで、わかるの?』

「聖女ってすごいんだよ、世界にひとりしかいないのっ!ね、あっちでいっしょにあそびましょう?」

『っ…うん!ありがと!』

「えへへ、どういたしまして!」

『ねぇ、大人になったら、けっこんしてくれる?』

「いいよ、やくそくね!」


この世界は同性同士の結婚なんて珍しくもないのだ。


あの日から、私の目標はあの人の隣になった。

隣を歩いても、あの人が恥ずかしくないような、人になりたい。


なのに、あの人の目にはレオン様しかいなかった。


前世では私はあの人に裏切られてしまった。


けど、助けてあげた。聖女の力で時間を巻き戻した。


これくらいのことであの人のことを嫌いにはならない。なんなら今でもずっとあの人しか見えない。

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