第6話 何が起きてる!?
不安そうに毛布にくるまるフィリア。
俺はそれを見て、自分のやるべきことを決断する。
「フィリア、俺がお前をウラヌスまで送り届けてやる!」
「……」
「俺は現地人だ。お前に恨みなんかない。信じてくれ」
俺は困っているであろうフィリアを天国に返してやることにした。
ここにいても居心地が悪いだろうし、誘拐犯だってまだアースランドにいるかもしれない。
知らない土地で、出会ったばっかりのヤツに信じろと言われても、すぐには受け入れられないかもしれない。
でも俺はフィリアの助けになりたいんだ!
「フィリア……あのさ。お、俺とな、とも……友達になってくれよ」
「……ともだち?」
「そう、わかるよな?友達!俺はお前と友達になりたい。だから無事に天国まで送ってやる。どうだ?」
フィリアと友達になりたいというのは本音でもあり、自分を信じてもらうための方便でもあった。
『正しい行いをしなさい』、昔母さんの言っていた言葉だ。それを俺は守りたい。
今考える正しい行いとは、困ってる女の子を見捨てないこと。
フィリアが困っているなら、なんとかしなきゃという正義感で、俺は今行動しているのだ。
「……嫌よ」
「嫌?友達がか?……そうか」
友達はダメか。まぁそうだよな。
今日初めて会って、いきなり石投げつけるようなヤツ、印象……悪いよな。
でも俺はコイツを助けたいと思ってるんだよな。
どう言ってやればいいのかな?
「変なこと言ったな。悪い、忘れてくれ」
俺はフィリアと友達になることを諦めようとした。
しかしフィリアが気にしていたのは、石を投げられたことや村に来て嫌な思いをしたとかでは無かった。
「下僕ならいいわよ」
王女と平民は並べちゃいけないと、フィリアは真顔で言い始めた。
なるほど、気にしてたのはそっちか。
俺はフィリアの性格を全然理解してなかったんだな。
コイツはあれだ。プライドが高いお嬢様ってヤツだ。
友達ってことは俺と対等になること。
それがフィリアには許せないということだな、うんうん……
「ふざけんな、調子乗んなよ!」
流石に大人しく聞いてられなかった。
また神器を使って来るかもと思ったが、それも上等。
コイツは1回ガツンと言ってやった方がいいと思った。
「はぁ?何よ!急に怒って、情緒不安定なの?素直に有難いと思いなさいよ!」
「助けるって言ってんだろ!友達なるぐらい受け入れろや!」
「私と友達になれる人なんて天国にも居ないわよ。私、王女よ、王女!」
「んだよ。友達いねーのかよ。すいませんね、王女様。なら一生1人で
言った、言ってやったぞ!
怒るか?怒るのか?
…………嘘だろ、おい。
俺は感情に任せて暴言を吐いた。
怒られようが、神器で攻撃されようが構うもんかと思って言ってやった。
でも予測していた反応と全然違う。
「なんで……なんでそんなひどいこと言うの?私、何か悪いことした?……うぅ」
怒るでも無く、手を出すでも無い。
フィリアは毛布に顔を埋めて泣き出してしまったのだ。
確かに言い過ぎたかもしれない。
ほんとバガだな、俺。弱ってる女の子にこんなことして。
フィリアは悪いことはしてな……いや、まぁまぁしてるぞ。暴言やら暴力やら。
神器なんて下手したら死んでるぞ。
俺だから耐えれただけだ。
……いや、でもやっぱり言い過ぎだな。
「もういい。ここに居ても邪魔だろうし。私行くわ!……ご飯、ありがとう。さようなら」
涙がまだ頬を
それでもフィリアは回復したと言って、ベッドから飛び降り、お礼を言って家を飛び出して行ってしまった。
こんな時、俺はどうするべきなんだろう。
大人しく見送るのが正解なのか、追いかけるのが正解なのか。
俺は少しの間、考えて、足が止まっていた。
だが、体が
「キャーーー!」
家のすぐ近くから、フィリアの悲鳴が聞こえた。
それを聞いて、急いで窓の外を確認する。
するとそこにはボンゴ村のヤツらと知らない男たちが、フィリアを取り囲んでいたのだ。
フィリアは男に腕を捕まれ、逃げようとする素振りをしていた。
「フィリア!」
「ぐわぁぁ!?」
フィリアが危ないと判断した俺は、気づいたら窓から飛び出し、フィリアを掴んでいる男を無意識に空中から襲撃していた。
「何しやがる!お前も天国のヤツか?」
殴られた男は俺を睨みながら、腰を低くし、臨戦態勢を取る。
状況がわからない俺は、その男を警戒しつつ、とりあえず周りにいるヤツらに話を聞くことにする。
「おい!コイツらは誰だ?お前らもどうしたんだよ?……何でこんなことになってんだよ!」
俺は周りに向かって大声で叫ぶ。
しかし誰も俺の問いには答えてくれない。
そんなに中、村人の集団から1人、よく知ってる人物が顔を出す。
「ギムザお前、何やってんだよ?」
「アデル……すまん」
悲しそうな顔をしながら謝ってくるギムザ。
謝るということは何かがあったのだ。
高ぶる気持ちを抑え、ギムザから詳しい状況を聞くことにする。
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