第8話
「おーい、肉くれ肉!」
「おかあさーん!これ買って!」
「おらー!今日は俺らの奢りだー!」
「うぉぉ!やったー!」
「さあ、この服はどうだい?冒険にピッタリだよ!」
男の声、子供の声、酒飲みの声、服屋の店主の声。色々な人の声が混ざりあい、頭の中に響いてくる。
「ここは…?」
「おーい!シリファ!早く店開いてくれー」
001番、シリファさんがお店の方へ走って行く。それに続いて、少し大きな通りに出て見る。シリファさんが握っている瓶が朝日に照らされて輝いている。
「どうしたの?010ちゃん。」
後ろを振り返ると、008番さんがいた。
「あの…あれは何ですか?」
「ん〜、僕もあんまり分からないんだけど、薬を売って、お金を貰うんだって。」
「お金…?」
「うん。それで食べ物とか、家が帰るんだって!」
「へー。すごいなぁ…。」
「ね。やっぱりお金を貰うって大変なのかな?」
「ほら!2人とも、ご飯の準備手伝って!」
「「はーい」」
「「ただいまー」」
「「「「おかえりー!」」」」
「004番さんは何をしていたんですか?」
「001番の手伝い。」
「さ、夕飯を食べよう!002番が作ってくれたんだよね?」
「001番さんに教えてもらったのを煮込んだだけですよ。」
「美味しそうなスープとパンだね!冷めないうちに食べよう!じゃ、」
「「「「「「いただきまーす!」」」」」」
「そういえば、001さんの、『シリファ』ってなんですか?」
「あれ?あれは名前だよ!」
「名前?」
「うーん。人を呼んだりする時に使う、番号みたいなものだよ。」
「へー、僕達にはあるのかな?」
「うーん…自分たちで考えないとダメかもね。」
「へー、私欲しいなー!」
「どんな名前にしようかな。」
002番さんに合いそうな名前…。
「シャピナとかどうよ?」
「んー、なんか違う。」
「エルシアはどう?」
『エルシア』という名前を提案すると、みんなが私の方を見る。
「『エルシア』…とってもいい名前!私の名前、エルシアにしよ!」
「僕、僕は?どんな名前がいいかな?」
008番さん…なんだろう。
「『セレリム』とか…?」
「『セレリム』いいねぇ〜…」
「俺たちはどんなのがいいかな?」
「『クリロス』とかどうよ?かっこいいでしょ?君は『リターシャ』とかどう?知的な名前だと思うんだけど。」
「おー、シリファ意外とセンスいいじゃん。」
「『リターシャ』…ありがとうございます、シリファさん!」
「010ちゃんはどうする?」
「えっと…私は…」
「アリーティア。」
「へ?」
「『アリーティア』とかいいんじゃねえの。」
「アリーティア…クリロスにしてはセンスいいね。」
「俺にしてはってなんだよエルシア。確かにさっきのはセンスなかったかもだけど!」
「さ、名前も決まったところで、お風呂に入ってこようか。」
「お風呂?何それ、僕知らない。」
「お風呂はね、体をお湯で洗って綺麗にすることだよ。」
「へー!初めて知った!」
「じゃあ、みんなで一緒に入ったら良くね?」
「うーん、裸になるから、女子と男子は分けようか。」
「じゃあ、私とアリーティアちゃんで先に入ってくる!」
「はーい。じゃあ、僕たちで食器を片付けようか。」
「はーい。」
大事なことを伝え忘れたと思い、クリロスさんの方へかけて行く。
「あの、クリロスさん!」
「ん?どした、アリーティア。」
「えっと…名前、ありがとうございます!」
「ふふ…大事にしろよ。」
穏やかな顔で、わしゃわしゃと頭を撫でてくれる。大きな手は大きくて、温かくて、安心した。
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