第21話

「私、場所知ってるので案内しますよ。このシリーズ好きでよく読んでたら

場所覚えちゃって」


里子ちゃんはまた恥ずかしそうに言って僕を案内してくれた。


「ここです。」


そこには七冊同じシリーズの本があった。


『出会いは必然に』『再会はこの場所で』『恋する喜び』『嘘の存在』『現実』

『また逢う日まで』『僕の愛した人は過去の人でした』だ。


僕が読んでいたのは『再会はこの場所で』。

だからこのシリーズでは二作品目となる。


「このシリーズ一話完結していく作品なので途中から読んでも面白いんですよ」


里子ちゃんは私は次四冊目の『嘘の存在』です。と言って手に取る。

僕は最初から読もうかなと言い『出会いは必然に』を手に取った。


この時僕は少しの違和感を覚えたが気のせいだと決めつけて気にしないようにした。

それはあまりにも自分と里子ちゃんとの出会いと本のタイトル、順番が同じだからだ。

でも、だとしたら最終巻の『僕の愛した人は過去の人でした』が引っかかる。

里子ちゃんはここにいる。過去の人なんかじゃない。

だけどこの本のシリーズでいくと今は『再会はこの場所で』になる。


いや、考えすぎか…。

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