第17話
正しくなくたって
正しいと言って欲しかった。
「ガキはいいね」
いつだってあの人は
わたしの欲しがる言葉をくれなかった。
「ガキのうちだから考えられることってある。
大人になったら見えないことが今のお前には見える。」
「わたしの言ったことに賛成してくれるの?」
「それとこれとは別。」
ふわりと舞って、消えて、
嫌なカオリがまた鼻をかすめた。
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