第6話

わたしにとって学校は檻だった。

義務教育だなんて名目で強制的に収容されて、

自由も個性も何もかも奪われる。



その醜悪な現実にさえ気付かないような

頭の悪い同級生のつまんない噂話とか


あの場所に広がるすべては本当にくだらなくて、

可哀想な人たちだと蔑んでいた。



とにかくあの頃の私は

強制されたあの場所で息を吸うのが嫌だった。


毎日毎日同じ様に髪を結ってお揃いの紺色を着せられて

"私"を否定するあの狭くて苦しい世界のひとつひとつに

心の底からうんざりしてた。




だから、許して欲しい。

あの頃の私は何も悪くない。



ただ幼くて、独りだっただけ。

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