休憩時間
「きみってなんでも出来るんだね……」
人の流れが少なくなり会話ができるほどの余裕が生まれた昼ごろ、薬術の魔女は魔術師の男に感謝と感心を述べる。
「当然です。私は有能ですからね」
「ほえー」
魔術師の男に、つん、と澄ました様子でいつものように返された。だが薬術の魔女には少し得意そうな、嬉しそうな様子に見える。
「やっほー、大盛況だね?」
「お昼ご飯になりそうなもの、色々買ってきたわよ」
友人Bと友人Aが、手を離せなかった薬術の魔女のために食料を持ってきてくれた。
「こんにちはー、僕は飲み物を持ってきたよ」
と、その3も、ボトルに入った飲み物をいくつか買って、持ってきてくれたらしい。
「なんだか悪いなぁ……あ、レシートとか領収書とかあったらちょうだい。お金出す」
「これとか全部、僕からのプレゼントみたいなものだから、気にしなくていいよー」
と、その3は微笑み、薬術の魔女に言った。
「そう? ありがと!」
薬術の魔女は三人から食べ物の入った袋を受け取る。
「……その人が、婚約者の人?」
「うん、そうだよ」
首を傾げるその3に、薬術の魔女は軽く頷いた。その3は、廊下に貼り出されていた相性結婚の通知達に目を通していたらしい。
「初めまして。婚約者がお世話になっております」
「…………? ……よろしく、お願いします」
不思議そうにしながらも、その3は魔術師の男に礼をし、
「じゃあ飲み物も渡せたことだし、そろそろ僕は持ち場に戻るね」
と、一人先に帰っていった。何か、受付の係をしているらしい。
「婚約者さんの分も、何食べるか分かんなかったけど入ってますよ」
「お疲れ様です」
「
友人Bと友人Aへ、魔術師の男は感謝を述べる。
「ねぇ、」
と友人Bは薬術の魔女の袖を引き、声が聞こえない程度にまで魔術師の男から引き離す。そこに友人Aも薬術の魔女を挟みこむように、反対側に回った。
「すごくいい人だね、手伝ってもらっちゃってさ」
「うん。すっごく助かってるよ」
「身分も顔も、性格も良いなんて随分な優良物件だから、取られないように気を付けるのよ」
友人Bも、友人Aも、薬術の魔女の相性結婚の相手との関係性を不安視していたのだが、この様子だと大丈夫そうだ、と安心したのだった。
「性格? ……うん、まあ、顔が良いのは確かなんだけど……ってなに?」
「なんでもないわ」
友人Aがすっごくにこにこしている。
そして、2日目の終日まで手伝ってくれると言ってくれたのだった。……しかし。
「(仕事、大丈夫なのかなぁ?)」
手伝ってくれるのは嬉しいが、それで彼自身の仕事が大変になるのは望んでいない。
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