第9話

18


「結婚しよう」


いつしか、君が言った言葉。


いつだったろうか、確か幼稚園の頃。


四つ葉のクローバーで作った、

少し不格好な指輪を私の右手の薬指につけて。


「本物は左手につけるんだって。だから今はこっち」


と、キザな台詞を残した幼馴染みの君。


「18になったら迎えに行くから」


幼いながらに恥ずかしそうに


顔を赤らめていて…


だから18になった誕生日の日、


ずっと君を待ってたのに…


来てくれなかったけど一年間ずっと、


君を待ってた。


左手の薬指は、おもちゃの指輪すらつけずに


待ってたのに…


「もう私、19になっちゃったよ」


0時を回った空を見ながら呟いた言葉は、


君には届かなかったよね…

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