10月
10月1日(水)
「ハロウィンまで、一ヶ月をきったー!」
いえーい! と、一人ソファの上で飛び跳ねる。
え、ハロウィンだよ? 仮装パーティーだよ? それまで一ヶ月をきったんだよ?
「いやぁ、楽しみだなぁ」
特に真間ちゃんの仮想姿とか、真間ちゃんの魔女姿とか、真間ちゃんのお化け姿とか。
あの人何気にそういうの楽しんでそうなタイプだよね、私といる時点で絶対にそう。
てか、飛び跳ねるの疲れたな。降りよう。
「んんーん、そろそろ学校に行かねば」
マジのガチで遅刻しそうだぜ。いやもともと遅刻していたけど。というか、反省文今何枚溜まってるんだろ。
いや、ね? さすがにね、溜めとくのはよくないと思って夏休み中に一学期分は全部書いたんだよねっ! ってことは、9月分だけだ! 一ヶ月だけじゃん!
やったね。
「いやマジで遅刻する。もう二度と隼人に蹴られたくない」
いってきまーす! と、家を出て、いつもの角にいけば案の定、真間ちゃんと隼人がいた。
「ごっめーん、遅れた」
私渾身のウインクをプレゼントしちゃおうじゃないか!
「キモ」
「辛辣ッ」
あ、そうだ。隼人で思い出した。
「隼人ってさ、内申点とか大丈夫なの?」
「……ん?」
「え?」
「内申、点……?」
「ちょっとまってよそんなことある?」
え、君受験生だよね? 中学3年生だよね? 高校大丈夫そう? ねえ?
「ほら! 高校に行くじゃん!? 受験勉強とか大丈夫?」
「日向……」
「言いたいことはわかるよ、隼人」
なんだなんだ、どうしたどうした。
「湊が」
「まともな話をしている……!」
「殴られたいのか、お前ら」
いやだってふつうするでしょ、人生の話だよ!?
「安心しろ、湊。勉強はしていない」
「いや一ミリも安心できないんですけど!?」
「そして俺は推薦だ!」
「あ、うん、安心した! 安心したけど、ちょっとは勉強しよ!?」
いや待ってふつうにおかしいって。え、推薦? 隼人が? もしかして明日槍降りますか?
「あ、サッカーか」
「おう! 俺はサッカーで推薦とった!」
「どこ校? どこ校に行っちゃうん?」
「もしかして湊、悲しんでるのか……?」
「んなわけ!」
「峰山、そんなに否定しなくても」
「じゃあ真間ちゃんは悲しいの?」
「そうでもない」
「いや、日向もひどいな!?」
辛辣=愛情っていう線もあるのに? ま、私に限ってそんなことはないけどねッ!
「あーでもそっかぁ、進路かあ」
「峰山のことだから中卒になりそうだな」
「なんないから! 私は英語得意だし!」
「英語だけな」
「あ、最近美術も得意になってきた」
「いや使わねえだろ……」
使うよきっと! 副教科だからってあなどっちゃいけないからね!
だって将来一番役に立つ家庭科が、副教科なんだから!
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