7月7日(月)

 いやぁー、今日は晴れてよかったぁー! 今日は七夕! 雨だったら天の川は洪水しちゃうけど、晴れたなら川遊びができそうだし!

「ってことは明日休日の、今日は七夕祭りか……」

 七夕祭りねぇ……。私とは程遠い祭だし。いや、ね? たしかにかき氷とか美味しんだよ、それはわかってる。でもあれはさ、彼氏と食べるからいいやつじゃん……!

「あー、彼氏ほしい! 彼氏と夏祭り行きたーい!」

 なーんで彼氏ができないんだよぉ。

「とりあえず、学校に行くかぁ。――行ってきます」

 とぼとぼ歩いてすぐに角のところにたどり着く。

 今日はふたりとももう来てる、はやいな。

「おはよう、ふたりとも」

「はよー、湊!」

「はよ」

「ねー、今日は七夕祭りだけど、誰かと行くとか、用事ある?」

「喧嘩売ってんの?」

 いや違うよ? 気になっただけなんだよ、本当に!

「隼人は?」

「俺はサッカー部の後輩と行く予定!」

「お前、『七夕祭り』の意味わかってんの?」

「え? あれに意味なんかあんの?」

 嫌だねぇ、最近の若者は。

「一緒に七夕祭りに行った人はこの市を出るまでずーっと一緒にいられるっていうジンクス!」

 ふふん、私こういうのは結構知ってる方だよ?

「いや俺……、あいつらと全国行きたいから別に……」

「クソ……、かっこいい……!」

 私もそんなセリフ言ってみたい! よし。

「いや私……、みんなといつまでも一緒に……」

「俺のパクリ?」

 黙ろうか。

「『みんな』って誰だよ」

「うーん……、『みんな』?」

「だから誰だよ」

 ちょっとまって、今考える。えーっとね……。

「真間ちゃんでいいや」

「嬉しいのか悲しのか」

 なんで? 嬉しいでしょ?

「『で』っていう部分が気になるんだよ。言い方がマイナス思考だわ」

「あらほんと」

 細かいところまで気づくなんて……さっすが国語一位の真間ちゃんだねぇ……。私、全然気づかなかったよ。

「じゃあ、今日は日向と湊で行くんだな!」

「うん、そういうことになるね!」

「え、行くのか……?」

「行こーよ! 憧れだったんだよー!」

「隼人といけよ」

「なんで私がサッカー部の団体に加わらなきゃいけないの?」

「マネージャー枠ならいつでもあいてるけどな」

「私は帰宅部部長です」

 あと、マネージャーってなんかめんどくさそうじゃん、私の偏見だけどさ。

 私は早く帰りたい!

「ま、いっか! 真間ちゃんでも、楽しめそうな気がするし!」

「だから言い方がマイナス思考なんだよ」

「あれ?」

 本当に真間ちゃんって、ですごいよね。

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