「運命の出会い」に出会うまで

セキチク

プロローグ

 食パン、って大事だと思う。

 毎朝、食パンをオーブントースターで焼きながらそう思う。

 私は、峰山みねやまみなと。彼氏も彼女もいない、というか恋愛経験もないただの少女漫画好きの中学3年生。

 そんな私に欠かせない毎日の習慣。それは、食パンを焼くこと。そして遅刻確定の時間に家を出ること。

 これは絶対条件。

 そこで察しの良い君らは気づくはず。そう、私は約2年前、こう思った。「このままじゃ、一生彼氏ができない!」、ということに。だから私は、食パンをくわえて学校に行く道のりの角で待っていることにした。

 私は、この1年で、絶対に彼氏をつくってみせる!

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る