第9話 占いで決める女

「いつもの道方角が悪いから、遠回りしてきたんですぅ」


 そう言って五分遅刻してきたA 子。先月別部署から異動してきた。遅刻してる時点で運気悪くなってる気がするんだけど。


「花が置いてあるとお部屋の空気が浄化されますよね」


 と言って、鉢植えを何鉢も持ち込んできた。毎日二十分かけて水やりをしている。


 花に水をやるまえに、パソコンの電源を入れて欲しい。


「今日のラッキーカラーピンクなんですよ」


 給湯室でそう言って、ブラのヒモをチラ見せするA子。


 見せるなよ! どうせなら男に見せてやれ。


 席に着いて仕事をすると思ったら、スマホを取り出し、今日の占いを見ていた。


 有名占い師のサイトで、月300円払うと毎日の運気がわかるそうだ。


 そんなの本人が書いてないから! どっちでもいいけど、今見るな!


 で、今日は運気が最下位で、落ち込んでいて仕事に身が入らないそうだ。


 そんな占いじゃ永遠に幸せになれないと思うけど。


 いや、仕事をしない、できない言い訳に占いを使うという、画期的な利用法かもしれない。









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