第13話:恐ろしいことが起ころうとしてるみたい。

ある日、モミモミと立照は話をしながら仲良く洗濯物を干していた。

雲ひとつないいい天気・・・洗濯日和

暖かい日差し、心地いい風・・・。


立照はモミモミと過ごすこんな日が好きだった。


「こう言う平和な毎日がずっと続くといいな・・・」


立照はそう言いながらモミモミを見た・・・が・・・さっきまで

穏やかな表情だったモミモミの顔から笑顔が消えていた。

洗濯物を持ったまま動きを止めて目をつぶったまま立っていた。


「モミモミどうした?」


「恐ろしいことが起ころうとしてるみたい・・・」


モミモミは立照の家に来た時から、自衛隊の無線をずっと傍受していた。


「なに恐ろしいことって?・・・」


「某国の潜水艦が日本の領海近郊に現れたそうだよ」

「当然核ミサイルを搭載してるよね」


「それってどういうこと?モミモミ」


「私は、ずっとこうなることを恐れていたの」

「もしかしたらだけど核ミサイルが発射されるかもしれないね・・・」


「なんだって?」


「私を脅威だと思って恐れて抹消しようと某国がそんな手段にでたのかもぉ」

「私もろとも、すべてを消し去ろうという魂胆かもね・・・」


「私がどこかの国に奪われるか雇われたとしたら世界にとっての驚異でしか

ないでしょ? 」

「それなら抹消すべきよね・・・それも、どこかの国の正義だとしたら」

「それにブラックホールの発生装置の開発者のタッちゃんも一緒に葬っちゃえば

一挙両得じゃない?」


「え?どう言うこと?・・・モミモミ・・・すごくシリアスな展開に

なってるんだけど・・・この話ってもっとユルかったんじゃないの?」


「うん・・・今でもユルいよ」


「おふたりとも・・・どうやら良からぬ事態になりそうですね」


「あ、違裸間さんも、なにか知ってるんですか?」


「はいバッドピーポーから即刻、亜素古賀家あそこがけから撤退する

ようにと私に通達がありました」

「何かするつもりですよ・・・古賀っち博士」


部屋にいた違裸間が慌てて庭に出た様子を見て駄目代ちゃんも何ごとって

庭に出てきた。


「違裸間っち・・・某国の原潜が日本の領海近郊に現れてるの」

「みんなよく聞いて、某国はこの地域一帯を私ごと核ミサイルで消し去ろうとして

るんだよ・・・私には分かるの」


「なんですって、じゃ急いでここから避難しましょう」


「違裸間 っちなら分かるよね・・・今から逃げても間に合わないって」


「たしかにそうですね・・・無駄ですね」


「ま、まじでか?」

「潜水艦がそこまで来てるって言うことはミサイルの打ち上げはもう秒読み

段階だってことか・・・」


「バッドピーポーの目標は私とタッちゃん」

「卑怯にもそのために多くの日本人を犠牲にしようとしてるの 」


「一蓮托生ってことか・・・愚かな愚行なのに・・・クソっ」


なすすべがないのかと思った立照は、めちゃ焦った。


つづく。


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