第37話

真琴の冗談に気づいていないのか、古庄はその先生のことを手放しに称賛する。



その褒めっぷりに、真琴は少し突っ込みたくなった。




「……古庄先生。もしかして、その先生のことが好きだったんですか?」




「え……!!」




途端に古庄の顔が赤くなったので、「図星だな」と真琴は思った。



古庄の相手だったら、そのくらいの女性でないと釣り合いが取れないかもしれない。



しかし、古庄は滅相もないという風に、首を横に振る。



「そんな恐れ多くて、好きになるとかそう言う感じじゃなかったな。その先生は俺より3つ年上だったし、俺は弟みたいなもんだったよ」



「ふうん」と真琴は頷いて、古庄の話を聞く。



「だけど、その先生。3つどころか、12歳年下の生徒とくっついちゃったんだぜ!もう、驚いたのなんの!!」



「えぇ~!12歳年下!今の私と生徒の境遇と同じですよね。男の先生ならともかく、女の先生でそれはすごいかも」



真琴も衝撃の事実に、驚きを隠さず表現した。

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