第23話

「遅くまで頑張るね。私は先に帰るけど、帰る時に消灯、忘れないように」



「はい」



「お疲れ様でした」



真琴と古庄は口々に学年主任に向かって答える。



時計を見ると、もう7時半になろうとしていた。




「……そう言えば、管理棟は自動警備になってて、7時半になるとオートロックされるって知ってた?」




「……えっ……!?」




古庄がサラリと言ったことに、真琴は息を呑む。


古庄を凝視して固まる真琴の反応に、古庄は面白そうに唇を歪める。



「外からはおろか、中からもドアを開けようとすると、警報が鳴るってわけだな」



「ええっ!それじゃ、古庄先生も帰らないと……!」



このままだと、二人とも管理棟に缶詰めになってしまう。


真琴は学校で徹夜覚悟だったのでそれもしょうがないが、古庄をそれに付き合わせるわけにはいかない。




「……いいよ。俺にできることがあったら、手伝うし。それに、学校に一人きり…なんて、心細いだろ?」

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