第6話
「揃ったみたいだし、行こっか」
芽衣が瑛二くんと並んでエレベーターへ向かって行く。
さりげなく真花ちゃんが青木くんと並んだので、一歩下がるしかない。下がったこともあるけれど、組み合わせ的にわたしに選択肢はなくて、大崎くんの隣に並んだ。
「初めまして、大野サン」
わたしよりだいぶ背の高い大崎くんは、面白そうにわたしを見下ろしている。
「大学3年生なんだ」
「いろいろ事情があって、そういうことになってる」
「じゃあ今日はオレより年下だ」
嬉しそうな声。
イケメンの法則通りというか……
瑛二くんはきらきらアイドル系で、その友達の青木くんは爽やかスポーツマン系(実際スポーツをしているかはわからない)。
大崎くんは、「綺麗」という言葉がよく似合う。黙っているとキツそうな顔立ちなんだけど、よく笑ってるから、そっちの印象の方が強い。
会社でも女子社員に人気がある。仕事もできるので上からも覚えがいい。
「今日はいつもの雰囲気と全然違う」
不機嫌そうなその口調に、見上げると、ほんの少し拗ねたような表情をしていた。
「『友達』の芽衣が選んだコーデだから」
「それでどうして大学生?」
「それはわたしにもわからない」
「ふうん」
沈黙が、怖い……
大崎くんがわざと歩調を緩めているせいで、前を歩く4人とは自然と距離があく。
「『どうして大崎くんがここにいるの?』。柳田から電話がかかってきて、ランチビュッフェ奢ると言われたから。来る予定のやつが来れなくなって、清算済んでるしキャンセルきかないんで、って誘われた。『だからってこういう場に来るってどうかと思う』。こういう集まりとは知らなかった」
「えっと……」
「想定される質問を自分でして自分で答えてみた。大野サンはどうして?」
「一緒。来るはずだった人が来れなくなって、代役をしたらランチビュッフェ奢ってくれるって言われて……」
「そういうの行きたかったら誘う人いるんじゃないの?」
黙り込んでしまったわたしの耳元に「意地悪言ってごめんね」と大崎くんは囁いた。
「エレベーター来たよ!」
芽衣の声に、エレベーターに向かって急いだ。
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