意味がわかると笑える

Algo Lighter アルゴライター

「カギがない!」

大学生のカズキは、バイトから帰ってきて自分のアパートのドアの前で立ち尽くしていた。


「ヤバい……カギがない……!」


ポケットを探っても、カバンを漁っても、どこにもカギが見つからない。


(どこかに落としたのか? バイト先か? それとも途中のコンビニか?)


焦ったカズキは、スマホで友人に電話をかけた。


「もしもし、タクミ? ちょっと聞いてくれよ! やべぇんだ!」


『どうした?』


「家のカギ、どっかに落としたっぽい! さっきからポケットとか全部探してるのに、見つからねぇんだよ!」


『マジかよ、それは大変だな』


「とりあえず、今からバイト先とコンビニに行って──」


『……カズキ』


「なんだよ?」


『お前さ……今、どこで電話してんの?』


「え? 家の前だけど?」


『……』


『家の中に入れてるじゃん』


「え?」


カズキは、今自分が立っている場所を見回した。


──玄関のドアの内側だった。

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