8/11 『近畿地方のある場所について』映画鑑賞前提感想
昨日感想の続きを書くと言ったな?
あれは嘘だ。
ここからは『近畿地方にある場所について』の映画を観た前提で話をするので、ここで何を話しているのかわからない方は映画を観てこいって話です。映画を観たら話がわかります。
つまりはネタバレ感想ですが、見た人しかわからないようにアレとかソレみたいな言葉が多いです。以上です。
じゃあ、始めますよ。
原作と映画で一番の違いは「まさるさま」だと思いました。原作の「まさるさま」は真相を辿ると結構下世話というか、嫁取り問答が出てくるので言わば存在自体が下ネタで、だからAVのコメント欄とかでハァハァしていたり女子小学生を攫ったり中学生女子を見つけて大ハッスルしちゃったりするわけです。でもそれを映画でドカンと見たいかって言われると、うん、ちょっと……って思うじゃないですか。
そこで映画では「こしいれせよ」ではなく純粋に「母を亡くした男」という設定に変更されました。これで何が変わるかと言えば、主演の菅野美穂の役柄です。原作でも一番読者寄りの主となる視点のライターは女性で、ここをそうズバッと接続したか! というのはラストで膝を打ちました。文庫版で視点を変えたり映画ではあのお方のシーンをズバっと切ったりしたのはこの演出がやりたかったからだろうかと思います。何言ってるかわかんないって? 映画見てこい映画。
そういうわけで、ラストのカットと音響でグっと来ました。この話って結局何なの? という原作でモヤっとしちゃったところを映画版では「この話は要はそういうことだ」って言い切った形になったなあ、って感動しました。多分近畿地方での怪異は収まったんだと思います。何故なら菅野美穂がある意味人柱になったから、というのが個人的解釈です。例のトンネルのシーンは作品の象徴である「赤い女」の交代劇なんですよ。ここから先は語られたかもしれない未来、っていう感じですかね。
すっごい細かいところなんですが、小沢くんに「野菜も食べなよ」っていうシーンが結構好きです。なんでそう言ったのかな、っていうのがラストを踏まえるといいねえってなりますし、このラストを踏まえてもう一度最初から見たいかもっていうのは思いました。
以下、白石監督節で興奮したところです。
・住職の抵抗→今回の嘔吐ポイント
・富士山麓の家→今回の動物の死体ポイント
・多分ね、もう全部ダメなんだよ→カナ-!!
・後部座席に置いてある新品のバール→ここでもうお腹いっぱい
・VS赤い女→バケモノには車ぶつけんだよ!!
・祠を壊す菅野美穂→これこの映画を撮る意義でしょ
・まさるさま→これはまさるさまです、霊体ミミズではありません!
個人的に、白石監督の作品の魅力って「後部座席にあるバール」みたいにすごくわかりやすいカットをドンと置くところだと思ってるんですよ。『貞子VS伽椰子』の冒頭で「呪いのビデオと呪いの家」みたいにドンと提示したところで笑い堪えるのに必死だったんですけど、こういうのを恥ずかしげなく放り込んでくるスタイルってすごく好きです。
確かに『近畿地方のある場所について』は前半の映像が本当にホラー感たっぷりで豪華てんこ盛りなんですけど、そうすると後半どうするのってところじゃないですか。これ以上怖すぎても映画として締めなきゃどうしようもないし、じゃあ赤い女物理でヤろうぜ! ってなっても致し方なしだと個人的には思います。個人的には『残穢』のクライマックスみたいなもんだと思います。だって観客は「見ると死ぬ動画」見ちゃってるんだもん。だから観客のためにも菅野美穂が祠をぶっ壊してくれないと困るわけです。
というか、この祠壊しシーンって昨年秋のあのよくわからんブームの影響が絶対脚本に影響を与えていると思うので、あの時面白がって祠を壊した人たちには「あーあ、お前らがふざけて祠を壊しまくったから菅野美穂さんも祠を壊しちゃったじゃないですか」って思います。いや、白石監督の映画が好きな人が祠を壊していた気がするので、そうすると工藤Dのオマージュがネットにあふれ、そのオマージュで白石監督が菅野美穂に祠を壊させたってことでいいのかしらん……? よーわからん話だ
とりあえず文庫版はまだ読んでないので、単行本版と文庫版と映画版と(できればカクヨム版も)の比較みたいなのもできたらしていきたいね! 面白かったです。ここまで読んでくださってありがとうございました。ありがとうございました。よろしければDMの話も読んでくださると嬉しいです。よろしければDMを送ってください。
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