3/4 『飯沼一家に謝罪します』の感想(前)
ホラーモキュメンタリー摂取のため、今評判の『飯沼一家に謝罪します』を視聴しました。めちゃくちゃ面白かったです。そこで作品紹介と感想、そしてちょっと考察です。
本作は一部ちょっと不気味でおどろおどろしいシーンもあるのですが、基本的に『何があったのか』という事実を積み上げていくだけなので、映像的にビックリドッキリもグロもないのでホラー苦手な方でも楽しめるのではないでしょうか。
【作品紹介】
これは「謝罪」の話です。
2004年の深夜に『飯沼一家に謝罪します』という謎の番組が放送された。それは「矢代誠太郎という大学教授が行った儀式により飯沼一家が不幸になったので謝罪する」というものだった。飯沼一家は「幸せ家族王」という番組に出場するために矢代誠太郎により運気が上昇する儀式を受け、見事賞金100万円とハワイ旅行を手に入れたが直後に火事で一家が全員亡くなったという。番組は矢代誠太郎の謝罪、飯沼一家の出演した「幸せ家族王」の映像、そしておかしな写真の紹介と償いとして「49日の裁き」という儀式を行うという矢代誠太郎で終わる。
この謎の番組について、20年が経った今改めて調査をすることになった。当時の関係者から話を聞くことで、実際に何があったのかを検証していくことになる。
【感想】
ネタバレなしで最初に感想を述べていきます。
お話の構成や引きもとっても面白いのですが、とにかく映像にこだわっていて「らしさ」というところにこだわってるなと思いました。1999年に放送されたという「幸せ家族王」の「らしさ」や1999年を生きる人の話し方や服装が本当に「っぽい」もので感動しました。特に応援している娘の友達の映像の「20年前の女の子だ!」感がすっごくいいですね。
他にも「インタビューに答える人」や「新聞記事」など映像としての作り込みがすごいです。個人的には今にも死にそうな元編成局長と札幌で「父なら知ってるから、はい」ってインタビューに答える人が好きです。それから「ドキュメンタリー」という名目でありながら明らかに制作者の意図をもって作られたと思われるラストシーン。このラストを作るために所在地まで調整しているのかなと思うといいですねえ。
とにかくひとつひとつの「引き」が強く、後から次々と今までの事実と被せるように新たなカードがめくられていく感覚がすごいです。例えば「幸せ家族王」の番組を検証したところ、飯沼一家の近縁の親戚が登場しているシーンで「話ができそうな関係者出てきた!」と盛り上がり、改めて飯沼一家について聞き込みをした時に出現した「新たな疑惑」で「うおお!」ってなりました。この感覚がいいですね。これが調査系の面白さです。
そして、お話の構造は「矢代誠太郎の謝罪とは何だったのか」が常に中心に存在します。ここで「謝罪」とは誰が何に対しての謝罪だったのか、というのが大きなテーマとなります。もちろん矢代誠太郎は謝罪するべき立場の人間です。しかし、タイトルで具体的に誰が誰に謝罪をしているのかを明確にしていないのは上手い作りだと思いました。もちろん「飯沼一家に」とあるので対象は飯沼一家なのですが、ここで「一家」ってなんだろうという疑問が出てくるのがこの作品のいいところです。
検証番組として「飯沼一家に謝罪します」という番組が何であるかは明らかになります。しかし、そこに至るまでのいろんなところが見えてきません。見えないからこそ最後にとある人物が漏らす謝罪の言葉が重く、いろんなことが胸に残る作品でした。
ただ結構細部までの作り込みが激しいので、こういうフェイクドキュメンタリーやミステリー系の作品が苦手で「結局どういうことだったの?」と嫌になっちゃう人はおすすめできません。ここを読んでる方なら大体好きそうですので、是非見てほしいです!
……ここまで書いて「これから考察書くのかあ」と思ったので、今日はこのくらいにしておこうと思います。明日、秋犬さんオリジナルの「飯沼一家に謝罪します」の考察を出そうと思います。
ポイントは「秋犬さんオリジナル」というところです。秋犬さんですので、とある登場人物にめちゃくちゃ寄り添う形になります。ざっと見た感じこの辺の空白に触れているところがあまり見受けられませんでした。秋犬さんはめちゃくちゃ寄り添います!! 次回、寄り添い考察です!!
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