第13話
それから、授業を受けて昼休みとなった
今は私の周りには誰もいなかった
休み時間になる度にクラスメイトが何人か私の元へ来たがもう飽きたみたいだ
ユズくんは、途中からいなくなってたしな…
もしかして、不良なんだろうか?後で聞いてみようと呑気な考え事をしながら空を窓越しに見ていた
「涼音、ご飯一緒食べよ」
「うん、葵らぶ」
らぶと葵から返されなくて凹みながら、葵の席と私の席をくっつけてお弁当を広げる
ふっと周りの明かりが陰った
「こんにちは~転校生ちゃん可愛いね。あ、その弁当転校生ちゃんが作ったの?」
「「きゃーっ!!!」」
「え」
周りからの歓声と上の髪をちょんまげにした赤い髪の色男チャラ男を見て困惑した
「転校生ちゃん名前なんて言うの~?いや~、べっぴんさんだね」
「え!綺麗!?私が!?」
「そうだよ、綺麗」
「ありがとう!葵、ちょっと聞いてよ!美人って言われた!!!」
「……うん、良かったね」
「え、何でそんなにテンション低いの!?」
「……」
「え、無視!?」
親友から可哀想な目で見られてぴえん
「ねぇ、オネエサンは神崎ちゃんと仲良いの?」
目を細めて色っぽく聞いてきた赤髪
誰だろうこのチャラこの男
「う、うん」
「へー!高嶺の花と仲いい子ってどんな子だろうと思ってたけど面白い子だったな」
「…え、面白い子とは?」
「クールビューティ少女って、ギャグセンス高いね転校生ちゃんは」
発言には気をつけた方がいいと思うよ赤髪
ケタケタ笑ってる赤髪殴っていい?
ギャグじゃないってクールビューティは
「赤髪うるさい」
「えっ酷……赤髪って俺の事?」
「うん」
「…俺のこと知らねーの?」
「知らないよ、もしかして芸能人?」
「違うよ~!俺らモテるから知ってると思ってた」
私の中でナルシスト疑惑が誕生した、おめでとう赤髪
「あ、俺の名前は
そう言って佐田は甘い笑みを浮かべた
その笑顔に違和感が漂った
「よ、ろしく」
話してるうちに気がついた
佐田ってニコニコして色っぽい笑みを浮かべてるけど目が笑ってない
人のことによく首を突っ込む性格だが、ここでは突っ込まない、嫌、突っ込めない
だから、私は知らない振りをする。
この学校に来たからには、深く人と関わらないようにしようって決めてるのだ
自分に佐田の違和感に気づいてないと言い聞かせた
そして、口角を上げる
「私は
ほら、明るく振舞ったらあの違和感も無くなった
「あ、そうだ。転校生ちゃんちょっと着いてきてよ」
「どこに?」
「生徒会室に」
「生徒会室…?お弁当食べてないから嫌だよ」
「お弁当持ってきていいよ~。それと、転校してきたでしょ転校生ちゃん」
「だから行かないと行けないってこと?」
「そう、察しいいね転校生ちゃん。そういう女の子俺好きだよ」
「…キュン」
「効果音いらないよ転校生ちゃん」
また、ケタケタ笑いやがった赤髪…
冷たい目で見れたし
「はい!転校生ちゃん行くよ~」
佐田は私のお弁当を持ち教室の外に出ていった
「ちょ、佐田!!お弁当人質にするなよ」
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