第10話
「俺に着いて教室に入ってくださいね」
「はい!」
やばい、めっちゃ緊張してきた
教室から賑やかな声が聞こえてくる
先生がドアを開け教室に入っていく、その後ろを私は着いて行った
「皆さんおはようございます」
先生が口を開くと静寂がおとずれた
めっちゃシーンとしてる
それに、ジロジロ興味深く見られてる
そのせいで余計に心臓バクバクなっているのだ
「今日、転校生がこのクラスの仲間になります。桜庭さん自己紹介お願いしますね。」
「…はい」
頭が真っ白になった
な、なんて、言おう
完璧な自己紹介、高嶺の花、趣味、特技
クールビューティ、クールビューティ…
「さ、桜庭涼音です…特技はトリップすること、クールビューティ目指してましゅ!」
や、やってしまったと後悔した
こんなところで噛むなよ、私
「ふっあははははは」
ひどい、葵
私の不幸は葵のご飯
今、声を上げて笑っていた彼女は私の親友の葵だ
声を出して笑う葵が珍しいのか周りの生徒はポカーンとした様子で葵を見つめていた
…葵笑顔かっっっわい!!!
さっすが!私の葵!葵らぶ!笑顔がかわいい!
私は葵のことが大好き
でも、噛んで笑われたとき一瞬初めて殺意湧いたよ、一瞬だけどね?
恥ずかしすぎるんですけど
「葵!酷くない!?私が噛んだからってそこまで笑わないでいいでしょ」
「やっぱ、あんた最高」
「でしょ!いやー挨拶完璧だったけど噛むのは予想外だった」
「いや、あんたの挨拶も面白いわ」
「え、ひど。でも、クールビューティ少女だったでしょ」
「いや、無理あるわ」
「ないない」
私の返事にゲラゲラ笑う葵
女王様みたいに足を組んで満面の笑みを浮かべる葵はとてもかがやいていた
2ー1の生徒は私たちの会話に置いてけぼりだった
痺れを切らしたのか、マイティーチャーが口を開いた
「桜庭さん」
「はい、先生なんですか?」
「えっと、席は二兎……金髪の男の後ろの席ですよ」
「はいはーい!俺の席だよ!」
席が分かりやすいのはいい事だけど、頭凄いね
……うん、派手だ
金髪男の子を目印に窓際の1番後ろの席に座った
「えっと、よろしくね」
「うん!よろしくね!」
おっと、なんて事だ
太陽かと思うほどの眩しい笑顔にキュルンとしたパッチリおめめ
金髪の子がこんなに可愛い男の子だと思わなかったよ
「あなたは天使ですか」
「……?」
首傾げる姿も可愛いんですけど
「……ちょっと私もあんたと席近いんだけど」
「葵!」
目をキラキラさせて葵を見る
も、もちろん気づいてなかった訳じゃないよ
「桜庭さん、神崎さんと仲良いの?」
「うん、仲良いよ!葵とは親友!えっと二兎く んだよね?」
「そうだよ!自己紹介まだだったね!俺は
ずっきゅん
可愛すぎてハート撃ち抜かれた
スズちゃんだって!かわいい!
「あ、私は
「あははっ!!クールビューティって面白いねっ」
クールビューティはギャグじゃない!!
「……ふっ」
葵も笑うんかい、ユズくんにも葵にも笑われてメンタルボロボロだ
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