第5話
幼女型聖水器計画は、あくまで可愛い幼女のおしっこを飲むという非現実を合法的に疑似体験する目的が大きい。
愛を持って接し、その結果として人工知能が様々な事柄を学習して、より人間に近づけば、間違いなく人生は豊かになる。
10歳の設定は、月日が流れてもそのままで、成長して劣化することはない究極の存在だ。
かつて11歳を迎えた咲耶を愛せなかった私にとって、これ以上の存在はいない。
複製して製品化した暁には、この感動を多くの人が味わうことになると思うと、なかなか感慨深い。
下世話な話になるが、そうなれば私は未来永劫語り継がれる天才科学者として富も名声も欲しいままだ。
「もっとお姉ちゃんにもおしっこ飲ませて!」
「そんなにしたら、いっぱい出ちゃうよぉ…」
ただ愛欲のままに助手が振動と音声で二重に作動させたばかりに、さくらはグラスから溢れる量の放水をしてしまった。
「しっかり拭いとけよブス」
「いや、舐め取るので大丈夫です」
「心までブスとは感心するな」
床に這いつくばる助手の姿は、全力で嘲り笑うには本気すぎて気が引け、私はどこか冷めた目で見つめる。
「さくら、まだおしっこ出るよ…?」
「じゃあ口にダイレクトで!」
「お姉ちゃんエッチだから、全部しちゃうね…?」
「最後に給水しとけよ、変態ブス」
私は呆れてそう吐き捨て、目を背けるが、さくらの放水の音だけには、それだけで心揺さぶるものがあった。
機械でも幼女を愛する者ならそれでいいが、幼女型聖水器の開発者としては興奮より先に考えることがある。
さくらに水の残量の全てを放水する機能はない。
今の助手の言葉では、6回分残っているさくらの貯水タンクを空にはできないはず。
人工知能を搭載している以上、絶対にプログラム通りに動くことわけではない。
仕様が優先されるようには設計したが、人工知能の学習の判断でどちらが最適確を選ぶ場合は、その限りではない。
完成したとはいえ、まだ製品化に向けた最終テストの段階だ。
じっくり解析して完成度を高めていければいい。
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