第304話 河原に黒ローブ
「毒鑑定」の魔道具で毒が広がっているエリアと出た場所に倒れていた魔獣の遺骸に
「呪いの毒(微毒)」と言う結果が出た。これは、この付近の毒は微毒でも「呪いの毒」ってことなのかな。
もう少し下流も毒の反応が出ていたから下流の様子も見てみることにする。
下流の位置を指定して表示場所を移動させる。実際に歩いているみたいに視点が進んでいけたらわかりやすい気がするけど
それはまた今度考えよう。
移動した場所は少し川幅が広がって川の流れが緩やかになっている場所だった。
ゴロゴロと石が転がった河原が広がっているけれど、河原に点々と何かが落ちている。
《牙サーモンの遺骸》
《呪いの毒(微毒)》
「ええ!?」
思わずちょっと大きめの声を出してしまった。牙サーモンって美味しいやつじゃん。
それが呪いの毒なんて……。微毒と言っても食べられないよなぁ……。
光水を振りかけたら解毒できそうだけど、流石に食べるのはちょっと怖いかな。
そもそも、遠く離れた場所だから、無毒だとしても食べられないんだけどね。
「写し絵」だと大きさがはっきりとはわからないけど、それなりの大きさの牙サーモンの遺骸がいくつも河原に転がっていた。
川の水もじっと見てみる。
《カンカラ川の水》
《呪いの毒(微毒)》
「やっぱり川の水が毒になっちゃってるのかぁ……」
川の水にも「呪いの毒(微毒)」の反応が出た。
牙サーモンは川の中にいたやつだよね。毒の川の中にいたから「呪いの毒(微毒)」になっちゃったってことかな。
これってこのまま放置していたらまずいよね。毒の対策は各領地の領主がやるものだって兄上は言っていたけどこの川の水が毒になってますよって早く教えてあげないと、もっと毒が広がっちゃうんじゃないだろうか。
「毒鑑定」の魔道具のことを説明しないと、毒が広がっている場所をどうして知ったんだって話になっちゃうんだよね。ジランやノドナスとか既に具合が悪くなっている人達がいる場所は、対策をしようとするだろうけど、人がいない場所だと気づかないうちにどんどん酷くなっちゃいそうだから、何とかして欲しいんだけど。
アンソラ男爵に父上かシャル叔父さんから情報を流してもらえないかな、なんて考えていたら
壁に写し出された光景に黒い影が入り込んだ。
ザッ、ザッ、ザッ
足音がして黒い人影が牙サーモンの前に立ち止まった。少し状態を倒してじっと牙サーモンの様子を見ているようだ。
木の枝のようなもので牙サーモンを突いて、ひっくり返した。
『どうだ?』
人が話す声が聞こえてドキッとして思わず飛び上がりそうになっちゃった。黒い人影は一人かと思ってたけどそうじゃなかったらしい。何だ何だ?
『うーん……、黒く爛れてはいないな……』
木の枝で牙サーモンを突いていた人影が状態を起こした。表示範囲を広げると、少し離れたところに黒いローブを着た人影があった。
黒ローブ?
捕まえた人とは別人だよね。黒ローブはまだ捕まえていたはず。国に連絡はしたって聞いたけど、王都に護送するとか具体的にどうするか進んでいないらしい。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます