第302話 「動く写し絵」の改良点

「動く写し絵」で音も集めてくるのはそんなに難しくない。

「お話」の魔道具で音を集めているから、同じようにするだけ。気をつけるのは「絵」と並行して「音」を記録するようにしないと音がずれちゃってところだ。


最初は二つの魔法陣を同時に起動するようにすれば良いかなと思ったけど、

少しずつ記録するタイミングがずれてきちゃうみたいだった。

「絵」と「音」がずれないように魔法陣を連動させたりというところがややこしかった。


「もっと長い時間起動してみて、『絵』と『音』にズレが出ないかを確認しないとダメかなと思うんだけど……。こんな感じでどうかな?」

「どうかなって……。音、入れたのかよ……」


翌朝に

出来上がった「音入り動く写し絵」魔道具を兄上に見せたら、大きく溜息をつかれた。


「母上やメイリに見せようとしないから、どうしたんだと思ってたら……」

「音のところは作っちゃってからと思って」


魔道具が完成してから見せたいなとは思うけど、使いやすさみたいなところは

実際使ってみてもらわないとわからないから、結局、作った魔道具を見せてから

意見を貰って修正をしたりもするんだけど「動く写し絵」に「音」も入った状態にするところは、ちゃんと作ってから見せたかったんだよね。


「はぁぁ……。わからなくもないけど……」

兄上は

サイコロがコロコロと音を立てて転がったり、棒をコンコンと叩いている様子の写し絵を何度か繰り返し見ていた。


「……開発スパンが早すぎるんだよなぁ」

「どういうこと?」

「写し絵が動くようになったと思ったら、もう音が入っているからビックリしただけだよ。

 ……これは、すぐ知らせた方が良いな」


兄上が「お話」の魔道具を起動し始めた。




朝食の前の時間に離れの食堂に、急遽父上や母上、メイリも集合した。


「まあ!ついに出来たのね……」


「音入り動く写し絵」の魔道具を起動して、写した絵を見せてみたら、

驚かれたけど、いつか作るって予想されていたのかもしれない。

どんな魔道具かすぐに理解してくれて、「どのくらいの時間記録できるのか」とか「複数の写し絵を記録できるのか」とか、具体的なことを色々聞かれた。


記録する魔石は入れ替えられるようにしてあったんだけど、

記録できる時間とかは魔石の大きさや質に寄っちゃうんだよね。

でも、十秒以上とか五分以上とか目安がはっきりしていると使いやすいみたいだ。


記録用の魔法陣魔石を分類して用意しておこうかな。


それと、皆で表示ボードに顔を寄せているのを見ると、もっと表示ボードが大きい方が良いかもと思い始めた。

壁を表示ボード代わりにしたりすれば、大きく映せるかな。

改良点が沢山ありそう。でも、色々できることが増えるのってワクワクするね。

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