第12話

これは今、どんな気持ちでいるのだろう?


 そういえば、もういなくなった・・・・・・下僕はこの下僕を慕っていたはずだ。

 ここに連れてきたときにこの下僕に世話を任せていたから、それなりに親しくしていたはずだ。


 しかしその慕っていた相手が役割を奪ったから私に捨てられたのだと知ったら、あの下僕はどんな顔をしていただろうか。

 絶望に堕ちる表情を見る機会を逃してしまったのは、少し惜しいことをしたかもしれない。


 だけど、まあいい。


「アレ、マニキュア塗るの下手くそだったのよね」


 なめらかな黒髪が気に入ったから拾ったのだが、絵が得意だと言っていた割にはマニキュアのような小筆を扱うのは苦手だったようだ。

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