義烈空挺隊は続くよどこまでも
館華カオル
プロローグ
「渡辺錠太郎を知っていますか」
今の日本で「渡辺錠太郎」について語ることができる人はよほどの歴史好きであると言えよう。今では渡辺錠太郎のご令嬢の『置かれた場所で咲きなさい』著書の渡辺和子さんの方が有名かもしれない。
「渡辺錠太郎が生きていたら日本の昭和史は変わっていたかもしれない」とまで言われる偉人が歴史の闇に埋もれ、忘れ去られようとしている。日本を戦争から、もしくは軍国主義への道から、生命を賭けて、日本の平和を守ろうとして、二・二六事件で暗殺された渡辺錠太郎のことを、少しでも知ってほしい。そして、忘れないでほしい。
二・二六事件について言えば、渡辺和子さんは当時9歳。最愛の娘の目の前で渡辺錠太郎の惨劇が起こっている。
「戦争だけはしてはいけない」と、言い続けた渡辺錠太郎。
「戦争は過去のことだから」
「日本は平和だから、関係ない」
などと、思っている人も多いと思う。だが、生命を賭けて『日本の平和』を守ろうとした人たちがいたことを知ってほしい。今だからこそ、日本という国の、戦前・戦中・戦後、愛する日本を守るために、生命を賭けて、戦った熱い想いを知ってほしい。次の世代に伝えてほしいと思っている。
他の国では「無名戦士の墓」と戦争で亡くなった人へのお墓参りが行われているが、日本ではまるで汚いものか、何かのように戦争について語ろうとすると、イヤな顔をされる。戦争について、何も知らないくせに「平和」、「平和」と中身のない看板を掲げて「平和主義」を装う。
思い出したように戦後80年と言う。そして「原爆」「ひめゆりの塔」と言い出す。もちろん「原爆」「ひめゆりの塔」も痛ましい歴史の1ページであることに変わりはない。次の世代に語りついでほしいと、切に願っている。
でもそこで戦ってきた「無名戦士」の想いは誰が語り継ぐのであろうか。戦争を始めたのは彼らではない。一所懸命に愛する日本を守ろうとして、自分の生命を犠牲にして、戦ったことを忘れないでほしい。
「歴史はくり返す」という。過去の戦争のことを知って、もう二度と絶対に戦争を繰り返してはならないと思う。
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