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学校というのはつくづく退屈だと思う。

隣にいるユウは新学年になるからそわそわしてるけど、私はそんなユウに対して不思議にしか思えなかった。


「今年もお前と同じクラスがいいな。」


「は?」


何言ってんだこいつ。


「ほら、去年はクラス同じだったろ?待つ必要もねぇから帰り楽だったし。」


だから頼んでないっての。

去年ユウと同じクラスだった。



「そのおかげでえらい目にあったけど。」


「世話係としては当然だっての。」



そう。えらい目にあったのだ。

去年ユウと同じクラスだったけれど、幼なじみの関係なだけでそれ以上のことは全くもって皆無だ。


それなのに、私のことを頼まれてるからといって、帰りも一緒に帰っていた。

まぁ、私も慣れっこだから気にしてなかったんだけども。

まぁだからといって私に彼氏ができなかったわけじゃない。

ユウはまぁ、モテなかったけども。



私に彼氏ができても、変わらずユウは私の家に入り浸っていたし、帰りも一緒に帰っていた時もあった。

そのことがバレて修羅場になったのは1度や2度じゃない。

それから私は同級生の彼氏を作ることはやめた。まぁはっきりと拒絶しなかった私も私なんだけど。


「お!やっぱ新入生ってわかるな!」


最寄り駅に着いたところでちらほらと緊張した感じな同じ学校の生徒が目にうつる。


なにもかも新品だからユウの言うとおり新入生なんだろう。


学校につくと、大きくクラス発表が出ている。



「俺は……3組か!えーと千景は……あれ、3組じゃないみてぇだな。」


「6組だわ。」



ユウら自分が3組だから3組を探すが私の名前はなかったらしい。それから1組から探し始めたので、私は逆の6組の名簿を見たら見つけてしまった。



「マジかよ。階すらちげぇやん。」


「ユウ、それだけじゃない。ユウの担任美代子。」


「え?げえええ!!」



私と同じクラスを望んでいたため、違うクラスだから落ち込んでいたが、さらに……。


美代子というのは現代文の先生でゆっくりしゃべる先生だ。



まぁ簡単に言うと、この先生が担任のクラスのHRが長いのだ。

それに比べて私の担任はいたって普通の先生だったりする。


それにしても……。


私のクラス、知らない名前ばかりだなぁ。

ま、どうでもいいんだけども。



「何騒いでんだよ、悠人。」


「やっぱ2人でいた。千景が目立つからすぐ見つけられたわ。」


「お!大樹、坂野、2人とも聞いてくれよ。」


ケラケラ笑いながら男女は、安藤大樹と坂野杏奈だった。

この2人は去年同じクラスで大樹こと、大ちゃんは中学の頃からの付き合いでユウの親友だったりする。


杏とは去年からだけど、入学式からつるんでいた。

まぁ一緒にいた中では気が合ったと思う。

ユウは先ほど知った出来事を2人に話すと、大ちゃんは慰めていた。


「あははははは。なんだそんなことか!!あんたは相変わらず千景らぶっ子だね!」




…………杏に関しては大爆笑していた。

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