??

折れかけシャーペン

スマホ

汚れた君は嫌いだ。


君を汚したあいつも嫌いだ


りりあさんの「浮気されたけどまだ好きって曲。」を聴きながら共感していた。


私は一昨日、5年半付き合った彼氏に浮気されて、別れた。


小学校からの幼馴染で、高校からお互いを意識し始めた。


同性から人気があり、スポーツも勉強もできるスーパー男子だった。


顔はまぁ、置いといて、とにかく優しかった。


誕生日にはお店を予約してくれて、ディナーを食べて、そのまま彼が予約してくれたホテルに泊まる。後日は彼氏が計画した旅行だ。


他にも嬉しい事は沢山あった。


一緒に夜家を抜け出して、コンビニデートをしたり




私がしたいこと全部付き合ってくれたり




私が大学受験で自暴自棄になった時は会いに来てくれて、私の心に休憩をくれた。




私が合格した時は誰よりも泣いて喜んでくれた。





本当に幸せを噛み締めてた。


この人と結婚するんだろうなって思ってた。


一途で、優しくて、勉強も出来て、卒業後は仕事もできて、仲間にも好かれて、お金もあって、身長も高くて、完璧だった。














完璧のはずだった。

あの時までは。



記念日を5回迎えた私達は初めてデートした海が見える場所に向かった。


二人はベンチに腰掛け、海を眺めた。


「懐かしいね」


「うん、懐かしい。」


「みく、あの時面白いこと言ってたもんなー」


「え、なに?やめてよ」


「私はこの海の守り神だー!って」


「ねえ!そんな事言ってない!!」


「言ってたよ、ものすごく可愛くて未だに覚えてる」


「……」


「何黙ってんの?笑」


「わぁ、もう!!うるさい!!」




彼はこういう事を不意に言うから良くない。


でも私の大好きな所。








「トイレ行ってくるね」


「うん!わかった」


ベンチから少し離れたところにあるトイレへ向かう彼氏を見送ろうとした私は彼氏がスマホを落としたのを見つけた


「しょうた!、…はやいなぁ」


声をかけようとしたがもう目の前にはいなかったので、スマホを拾った。



その時通知がなって


『乃愛だよ〜!覚えてる?久しぶりに遊ぼ!』


え…


「のあ、?だれこれ…」


私は怖くなって手の震えと急激に加速する鼓動に耐えられず、スマホを落ちていた元の場所に戻した。



見て見ぬふりをしたかった。


震えは止まらない。



少し落ち着きを戻そうと海を眺めるが、良くない事が脳内を駆け回り、今にも泣きそうだ。


私は必死にこらえ、彼の帰りを待った。


「ただいま〜」


「おかえり〜」


なんとか普通に返事できたはず


顔も大丈夫なはず。


「俺行く途中スマホ落としてたみたい笑」


「もう~気をつけてよね笑」


笑えたはず。


「じゃあ帰ろっか」


「うん」


私達は手を繋ぎ、車に向かった


ちゃんと手も繋げたはず。




この日からだった。彼の様子がおかしくなったのは。






















私達が別れるまであと半年。








  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る