ビターチョコレート・シュークリーム

夜染 空

ビターチョコレート・シュークリーム



夢:賑やかで明るい。甘いものが好き ♀︎

美希:物静か。コーヒーが好き 不問


所要時間20分前後


0:---



夢:「美希はいつもコーヒー飲んでるよね?胃に穴あきそうなくらい」


美希:「ん?うん。そーゆー夢は甘いものばっかりじゃん。胃もたれしそう」


夢:「(被る)コーヒーの何がいいの?」


美希:「(被る)甘いものの何がいいの?」


夢:「……え、甘いものって口に入れた瞬間からしあわせにならない?」


美希:「私のそれがコーヒーなんだよなぁ…」


夢:「うーん…ちょっとちょうだい?」


美希:「え、苦いよ?自分で煎れてきたやつだから」


夢:「ちょっとだけ」


美希:「…はい」


夢:「…ん。(1口飲む)にっがぁ!」


美希:「だから言ったのに…」


夢:「なんでこんなに苦いものを平気な顔して飲めるの!?え、美希人間じゃないんじゃないの!?」


美希:「失礼な!甘いものばっかり摂取してる夢こそ人間辞めるの?レベルだからね!?」


夢:「酷いなぁ…幸せ成分って大事じゃん?」


美希:「私の場合はコーヒーの香りから感じる幸せ成分も楽しんでるの」


夢:「えぇ〜、それならケーキとかパフェとかさぁ…目で見て感じる幸せも大事じゃん」


美希:「見る分にはいいよ…食べるならケーキ1個にコーヒーで充分。なんならビターなやつ選べば良いだけだし」


夢:「生クリームの美味しさが分からないのかぁ」


美希:「コーヒーの美味しさが分からないのかぁ…」


夢:「…って事で、今日駅前のカフェ行こ?」


美希:「どうしてそうなった」


夢:「いや、新作ケーキが食べたくて」


美希:「1人で行けばいいじゃん」


夢:「1人でケーキ食べても楽しくないよ」


美希:「私はコーヒーしか頼まないよ?」


夢:「いいよ、一緒に行ってくれるのが嬉しいから」


美希:「…はいはい。」


0:-駅前カフェにて


夢:「んー!美味しい!」


美希:「あんたの胃袋どうなってるの?1時間食べ放題でもう10個って…」


夢:「だって期間限定の新作ケーキが食べ放題コースに入ってたら食べるでしょ!?」


美希:「いや、気持ちはわかるけどさ…」


夢:「それに、ここのケーキ甘さもしっかりしながら素材の味がしっかりしてて…ホント何個でも食べられるの!」


美希:「ふぅん…1番甘くないやつはどれ?それだけ食べる」


夢:「え、せっかく来たんだからこのシュークリーム食べてよ!」


美希:「カスタードクリーム入ってるんだよね?ちょっと苦手で」


夢:「騙されたと思って!」


美希:「…なら、うん。(1口食べる)」


夢:「…どう!?」


美希:「…うん、まぁ…悪くない」


夢:「やった!」


美希:「思ってたより甘くないんだね」


夢:「シュークリームは甘さ控えめ!お持ち帰りも出来るよ!」


美希:「…」


夢:「…美希?どしたの?」


美希:「いや、たまには悪くないなぁって」


夢:「なにが?」


美希:「甘いもの」


夢:「…にししっ」


美希:「でも、毎日のように食べてたら胃もたれ確定する。たまに食べるくらいがいいな」


夢:「えぇ〜、ここのシュークリームなら毎日でも食べたいけどなぁ」


美希:「食べ過ぎ」


夢:「ちゃんと食べた分は動いてる!」


美希:「食べた以上に動かなきゃダメじゃないの?最近少し太ったよね?」


夢:「ギクっ」


美希:「…しかも、今飲んでるのバニラオレだよね?この時間だけで何キロカロリー摂取した?」


夢:「ギクギクっ」


美希:「…はぁ。」


夢:「ど、どうしよう美希ぃ!」


美希:「知らないよ。考え無しにバクバク食べてたのは夢でしょ?」


夢:「だってだって!こんなに美味しいんだよ!?食べちゃうでしょ!?」


美希:「だったとしても量が多いんだよ。もう少し考えようね?」


夢:「…うぅ……」


美希:「(軽い溜息)とりあえず、今日の分は今日の分でちゃんと身体動かして、身にならないようにしようね」


夢:「……ぐぬぬ…はい。」


美希:「……せっかくだから、もう1個シュークリーム食べようかな」


夢:「…ハマった?」


美希:「……少し」


夢:「まだ時間あるから、ゆっくり食べようね!」


美希:「はいはい……とりあえずアンタはそのバニラオレを控えようね?」


0:-食べ放題終了15分前


夢:「いやぁ!食べた食べた!」


美希:「……合計25個」


夢:「これでも少ない方!」


美希:「(顔を手で覆いながら)食べ過ぎだよ……」


夢:「大丈夫!ちゃんと帰ってご飯食べるから!」


美希:「食べるの!?」


夢:「うん!」


美希:「デザートのフードファイトさせたら優勝するんじゃないの?」


夢:「え!?あるなら行く!やってみたい!」


美希:「いやいや、冗談だから。」


夢:「ちぇ〜」


美希:「にしてもさ、徹頭徹尾生クリームで攻めたね。飽きないの?」


夢:「うん!生クリーム大好き!」


美希:「はぁ……。もうそろそろ時間か…せっかくだからケーキ食べようかな」


夢:「お!?何食べる!?新作ケーキ美味しかったよ!」


美希:「見た目が甘いから却下…」


夢:「えぇ……美味しいのに…」


美希:「……あ、チョコケーキあるんだ。ふぅん、種類豊富。ちゃんと見てなかったな……これにしよ」


夢:「……ビターチョコレートケーキ……苦そう」


美希:「そうかな?甘い物食べた後ってしょっぱいもの食べたくなるじゃん?そんな感じだよ」


夢:「でも、ビターチョコレート……」


美希:「せっかくだから食べてみようよ。」


夢:「……なら、美希のやつを1口貰う……」


美希:「ん。」


0:間


夢:「い、頂きます……」


美希:「そんなちょびっとで味がわかるかバカ。はい、ちゃんと食べる!私だってシュークリームしっかり食べておかわりしたんだから」


夢:「ん……はい」


美希:「はい。」


夢:「(意を決して食べる)」


美希:「…どう?」


夢:「……お…」


美希:「お?」


夢:「美味しいぃぃぃぃぃぃぃ!」


夢:「え!?なにこれ!初めて食べた!こんなに美味しいのに食べたこと無かったとか罪!もっと早く知っとけばよかったァ!」


美希:「…気に入ったみたいだ」


夢:「ねぇ美希!30分延長したい!」


美希:「しないよ帰るよ!」


夢:「え、え……じゃあ、テイクアウトする!すみませーん!」


美希:「はぁ……この子は全く。」


0:間


夢:「めっちゃ美味しかったね!生クリーム党の私が浮気するほどに美味しかった!」


美希:「そうかい」


夢:「次は他の味も試したいね!」


美希:「私はシュークリームとビターチョコレートケーキでいいや。」


夢:「勿体ないよぉ!色々食べよ!?ね!」


美希:「あーはいはい、わかったわかった!次行ったら違うものも食べる。食べるから揺らすな。」


夢:「絶対だよ!約束だよ!」


美希:「わかったから、お願い、揺らさないで」


夢:「約束」


美希:「約束ね。」


夢:「へへっ!」


美希:「で、ビターチョコレートケーキはどうだった?苦いの嫌って言ってたけど」


夢:「色がいかにも苦いですーって感じだったけど、食べてみたら苦さの中に甘さも感じて、添えられた甘すぎない生クリームがまたチョコの風味を引き立たせているって言うか……」


美希:「めっちゃ食レポするじゃん」


夢:「と、とにかく美味しかった!」


美希:「リピート?」


夢:「……リピート。」


美希:「私もあのシュークリームはリピートかな。煮詰まった時にコーヒーと一緒に食べたい」


夢:「煮詰まる?」


美希:「あれ?私小説家やってるんだけど…言ってなかったっけ?」


夢:「知らないよ!?初耳!」


美希:「あー、言ったつもりになってた。学校は内緒でやってるからバラさないでね?」


夢:「今のうちにサインもらっとこうかな」


美希:「そんな大したもんじゃないから、サインとか辞めて」


夢:「だって小説家だよ!?いつか大ヒットしてドラマとか映画とかさぁ!」


美希:「あー……うん、そうだね。そのうちね?」


夢:「ん?なんか隠してるな?」


美希:「隠してないよ。」


夢:「嘘だぁ!」


美希:「だ〜もうしつこい!ほら帰るよ!」


夢:「いつかちゃんと教えてね!」


美希:「……。(微笑みながら)わかったよ」


夢:「にししっ!美希!行こ!」


美希:「M/実は今度やる映画……私の小説が原作なんだよなぁ……とは、言わないでおこう。」


美希:「M/シュークリーム…美味しかったなぁ」


0:END

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