君がまさか…

朝起きると、自分が違和感を持っていることに気付いた。ここは全く違う世界なんだった。

「よく寝れたな」

布団からでるとナナがキッチンで料理していた。

「なに作ってんの?」

「これはリンゴっていう食べ物で今朝採ってきたんだ」

「それなら私の世界にあるよ」

「ならこれを食べていいよ」

「ありがとう」

私はナナからリンゴをもらった。

そのリンゴはとても美味しそうだった。多分昨日から何も食べてないから更にそう思えた。

「いただきます」

私はリンゴにかぶりついた。

「おいしいか?」

「なんか甘くない…」

「え、普通だろ」

「そうなの!」

「リンゴは酸っぱいのが普通だ」

「確かに酸っぱい」

私はリンゴを食べて外にでた。

いろいろな生き物が働いている。ふと頭に何か模様が描いてあることに気付いた。

「炎とか水玉の模様なんだろう」

「なんかあったのか?」

ナナが家から出てきて聞いてきた。

「 町の生き物の上にある模様が何か分からなくて、見ていたんだよ」

「 そんなの無いけど?」

「あるって」

「きっとスキルの影響かな」

ナナと一緒に町中を歩いていると、いきなり警報が鳴った。

「緊急、緊急、魔物接近中」

「ナナ何?」

「魔物のが町の近くに来てるんだ。逃げるぞ」

「戦わないの?」

「あいつらには勝てない」

「でも勝てないと魔王にも勝てない」

「なら戦かおう。でも、危険なら逃げるよ」

「分かった」

私は魔物のいる方へ向かった。

魔物は巨大なオオカミのようだった。

「そうえば昨日アユからもらったスキル使えるかも」

「確かに、スキルを言えば使えると思うよ」

「 剣技!」

梅が言った瞬間手に剣が出て来た。

これなら倒せる。梅が振った剣は魔物の首を一撃で切り落とした。

「これがスキル」

魔物を倒すのに抵抗はあったが、やらなければ帰れないから一生懸命やった。いつの間にか魔物は消えていた。

「やったー」

「おつかれ、そうえば名前聞いて無かったな」

「梅だよ」

「梅か、いい名前だね」

「 ありがとう」

ナナと喋っていたら、何か大きな気配を感じた。

さっきの場所から新しい魔物が出て来た。

気配の大きさから、咄嗟に気付いた。あれが魔王だ。

「誰?」

「私は魔王だ」

「何でここにいるの?」

「イヤッちょっと偵察に来ただけだ。」

そういうと魔王は帰って行った。

「私はあれと戦うの?」

「そうだな、でもいけるかもしれないと言う希望も出た。なぜなら魔物を倒せたのは久しぶりだからな」

住民はぞろぞろ街に帰ってきて梅に感謝していた。私にとってそれが何よりも嬉しいことだった。

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