スサノくんは今日も破壊神!?
マサユキ・K
エピソード1
僕には親友がいる。
名前を、
身長180センチ、体重75キロ。
実に堂々たる体躯である。
実家は須佐流古武術の道場で、父親の
恵まれた体格と幼少からの武術鍛錬のおかげで、運動では誰にも負けた事が無い。
加えて、持ち前の勤勉な性格が幸いし成績もかなりいい。
学年別試験でも、常にトップをキープしている。
まさに、文武両道の見本と言えるだろう。
ここまで聞くと、たいていの者は『だから何なんだ』と眉をしかめるに違いない。
僕の友だちの自慢話など、何の興味も無いだろうから……
だが、本題はここからだ。
ぜひとも、皆さんに聞いて欲しい。
共感できる人は、遠慮なく『いいねボタン』を押してくれ。
実は、一見完璧に見える我が友にも欠点がある。
それは、コイツの性格に関してだ。
いや、性格と言うよりは体質と言うべきか。
あるいは、性質?いや、能力?いや、スキル?
まあ、呼び方なんぞどうでも良い。
問題は、これがとんでもない代物であるという事だ。
しかも、コイツのこの体質のおかげで、僕はいつも酷い目にあっているのだ。
一体、どういう事かって?
実は、その体質というのが……
「とあぁぁじいぃぃぃっ!!」
ほぉら来た!
噂をすれば、何とやらだ。
「聞いてくれ、多治!今朝、く、黒猫が眼前を横切ったんだ!」
多治というのは、僕の名前だ。
フルネームは
あ、そこのアンタ、人の名前で吹き出さないように。
「黒猫?エサでも探してたんだろ」
僕は、涙と鼻水にまみれた友の顔を見上げて言った。
普通にしてりゃ、十分イケメンなのだが……
「ふ、不吉だ……何か災いの前兆に違いない」
「単なる偶然だよ」
「授業中に消しゴムを無くすとか……」
「ちーせー災いだな!」
「見知らぬ女子から、突然手紙を突きつけられるとか……」
「いやそれ、普通に告白だし」
「と、とにかく、俺は帰る。今日は、家から一歩も出ない!」
そう言い放つと、須佐野はクルリと
「待て待て!考え過ぎだ。目の前の動物見ていちいち帰ってたら、動物園の飼育員は全員ひきこもりになっちまう……とにかく、落ち着け」
僕は、なんとか落ち着かせようと躍起になった。
このままでは、とんでもない事になる。
「いいか、よく聞け。猫の色は大きく分けて、白・黒・灰色の三色しかない。大半の模様は、この三色が混じり合ったものだ。つまり、ここに百匹いるとしたら、三十匹以上は黒という訳だ。たまたま出会ったヤツが黒猫だったとしても、何の不思議も無い」
僕は、何かの番組で得た知識を適当にアレンジして説明した。
「なるほど……出くわす確率は、そんなに高いのか……」
お、信じた、信じた。
僕は、納得したように呟く須佐野を見て胸を撫で下ろした。
「その通りだ。しかも、短時間で何度も見かける事などそうそう無い。だから安心しろ。ハハハ……ハ……あ!?」
ダメ押しのセリフと共に放った僕の笑い声が、一気に凍りつく。
視線の先に、校門の前を静かに横切る黒猫の姿があった。
ソイツは、こちらを見てニャ〜とひと声鳴くと、何処ともなく去って行った。
僕は、張り付いた笑顔を親友の方に向けた。
予想通り、顔面が真っ赤に紅潮している。
「ま、また……く、く、くろ……」
「ま、待て!落ち着け、須佐野!く、黒猫に、二度出会う確率はだな……」
「うおォォォォォーっ!!!」
凄まじい咆哮が響き渡る。
バキバキバキィっ!
突然、校門横の太い木が真っ二つに裂けた。
同時に、街路の道路標識もグニャリと折れ曲がる。
「やばっ……逃げるぞ!走れ、須佐野!」
そう叫ぶと、僕は慌てて友の腕を引っ掴んだ。
茫然自失の須佐野は、なすがまま僕と一緒に駆け出す。
幸い、登校時間ギリギリのせいか生徒の姿は無い。
くそっ!
なんで、僕がこんな目に……
胸中で散々悪態をつきながら、僕と須佐野は始業ベルの鳴り響く校舎内へと駆け込んだ。
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