第236話
「俺がお前を引き上げてやるよ。泳ぐ必要のない場所に。
溺れる理由なんて存在しない場所に」
重みも知らずにあの日掲げた十字架は
今この瞬間、ただの夢で終わってしまった。
掌を呆然と見つめ。
自分の無力さを悔やむことしか出来ない。
俺の決心は一つも実行されないまま。
渚は痕跡すら残さず一瞬で消え去った。
自ら真実を語ることさえないままに。
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