第7話 雑談>ゲーム
翌日の春休みを目前に控えた月曜日、昨日の夜を思い出しながら授業を受けていたらあっという間に午前授業が終わった。そして昼休みの時間、仲良し3人組で机を囲み昼食を取っていた。
「おい奏都〜なんか今日の碧、いつもと違くね? さては昨日うまくいったか?」
「それ思った。なんかめっちゃニヤニヤしてるし昨日どうだったんだよ」
「それを話そうと思ってた。実はあの4大美女全員とフルパでゲームした」
「うお、まじで?」
「紗南ちゃんと2人じゃなかったんだね」
「まじ! Discord招待されてグループ入ったら4人VCでスタンバイしてて……その時点で手汗やばかったけど……ゲーム後もたくさん雑談して、声可愛いしアイコンかわいいし俺なんか気に入られた気がする」
「何でそう思ったんだよ、碧の顔も知らないし少し話せたくらいでよ」
手の甲をシッシッと動かしてやれやれ顔をする輝。そこで昨日話したことの詳細を伝えた。
「そんな感じで盛り上がったかなー」
「碧、お前にはもう追いつけない気がする……」
「周りに女の子が居なかっただけで話せてるし、みんなに気に入られてるわそれ。しかも顔見せたらDM? ふーん」
「おい奏都。なんだその嫌味ったらしい顔は」
昨日あった話で盛り上がっているとDiscordに通知が飛んできた。通知を見ると紗南からだった。
【昨日はお疲れ様〜。今日も碧くんとゲームしたいな♡昨日と同じ時間くらいにゲームしない? ちなみに芽依と衣奈は予定があるみたいで、紗南といとと碧くん3人になるけど?】
メッセージを見て顔に出てたのであろう。輝にまじまじ顔を見られ一言。
「おんなの匂いがする」
「……ゲームのお誘いだったわ、今日はあっち2人で来るみたい。俺ら3人足せば5人だし都合良くね? 聞いてみるわ」
紗南に友人2人連れていって良いか聞き、碧くんの友人なら良いよと承諾をもらいDiscordグループに輝と奏都を追加した。
「おし、やったー。追いつけ追い越せ辰巳碧。打倒辰巳碧。フルスロットルや」
「おけ、今日の20時ごろね」
帰宅し20時少し前、昨日と同じようにPCを起動しDiscordを開く。VC欄を見るとそこには俺以外入っていた。
早いなと思いつつ入室すると、かなり盛り上がっていて何の話をしているか気になった。
「お疲れ様、お誘いありがとう。てかみんな早すぎ」
「お疲れ様、王子。間違えた碧くん」
「お疲れ様、2日連続ですね。振られ王子様」
「VC1人でスタンバってたら紗南ちゃんといとちゃん来てくれて30分くらい前から話してたぜ」
「お疲れ碧。輝、紗南さん、いとさんは早かったみたい。俺はさっき入ったとこ」
「ちょっと待って。紗南ちゃんの王子であれ? ってなったけど、いとちゃんが俺の小学生の頃のあだ名知ってるんだが? あの苦い青春話したな?」
碧は小学生のころ、モテモテのマセガキであり調子に乗っていた。しかし自分が好きになった子にはとことん振り向いてもらえず、気付けば小学6年生の1年間で3人に振られていた。そこから振られ王子様というあだ名が付いたのだった。
ハハッと笑った後に奏都が言った。
「あー。だから女の子と話すの怖いって言ってたのかー」
その後もゲームをせず雑談に勤しみ、いつの間に23時前になっていた。
「ゲームやらずにここまで盛り上がるなんて思わなかったし楽しかったなー。輝くんと奏都くんも学校で会うの楽しみ。ね? いと」
「うん、ちょっと男の子がいる学校不安だったけど3人も知り合いできたし乗り切れそう」
「ハハッ、それは良かった。対面でコミュ症出ちゃうかも? 女子こわーいって」
「奏都だけには知られたくなかったわ……冷やかし魔人め」
「いやもう友人だろ! 今度はゲームやろう、俺たち2人もそこそこうまいんだぞ?」
「そうしよ。そういえば今週日曜日さ、veloプロのアジア大会ウォッチパーティが小山であるみたい。紗南Mateor選手好きなんだよね」
ウォッチパーティとは対象のコンテンツを、インターネット上でチャットしながら視聴できるもの。今回は会場に出向き、大画面でネット上に配信されているものを大勢で視聴するものになる。要するにパブリックビューイングみたいなものだ。
「あぁ、アジア決勝だよね。シンガポールのBRXと韓国のT-01の試合だっけ?」
「そうそう、碧くん詳しいんだね。ちなみに私たち4人はウォチパ行くんだけど良かったら来ない?」
「「いく」」
「かなと、いきまーす」
「アムロみたいに言うな」
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