エルンの女装史

辻田鷹斗

プロローグ

緑色のフェンスに囲まれた屋上。夕日が横に刺しこむ。そんな中、とある2人がそこに立ち向かっていた。

「好きです!俺と付き合って下さい!!」

勢いよく彼女に対して礼をする。彼女は薄ら戸惑いながら俺の爪先を見る。

「……ごめんなさい」

「っ、ぁっ。どうして…」

「確かにエルンは思いやり溢れ、実直で、素敵だよ。その…。でも……」

「でも?」

呼応して問う。

「……私、女が好きなの」

(な!なにぃぃぃぃぃ!!!どうしてだよぉぉぉぉ!!またかよーーーーーーー!!!)

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