第26話 デブとガリ。

 「この二人なら笑也さんの友達になれるわ」


 デブとガリはゲラゲラ笑っている。ん?「笑っている」「お笑い研究会」「角藤笑也」


 「“笑”繋がりってことか?麻居氏」

 「そうよ!」


 ドヤァ……。と無い胸を張る。すんげぇ自信だ。何処から出てくると言うのか。


 「ちなみに言うと同じクラスよ」

 

 えっ!!いたの?あぁ。あの騒いでた奴らか。デブとガリが騒いでいたんだな。


 「このデブと」

 「このガリに」

 「「何か用事かい?」」


 ……。まじかで見るデブとガリは二人合わせるとなんかこう、迫力があるな。しかも動きがシンクロしてんだよね。


 「面白くって依頼を忘れていたわ。角藤さん?」

 「ハイッっ!!」


 駄目だ。完全に緊張している。角藤氏は体がカチコチになっていた。援護してやらねばならんか。


 「角藤笑也氏って言うんだ。友達になってあげてくれないか。頼む」

 「お願い。デブ、ガリ」

 「お、お願いします……」

 

 部室に静寂が訪れる。いじらしいな。このデブとガリは間も心得ているのか。ま、まさかっ。友達にはなれないのかっ!どっちなんだ。教えてくれぇ。やがてデブとガリは口を開く。


 「このデブと」「このガリが」「「友達になってあげるよ」」


 !!なってくれるのか。ふぅ。良かったー。麻居氏も安堵の表情だ。角藤氏は胸を撫で下ろした。


 「あ、あ、あ、ありがトゥー」

 「このデブと一緒に騒ごうか。笑也君」

 「ガリもいるよ。笑也さん」


 もしかして初めての友達なのか?角藤氏はひたすらビビッている。これは少しずつ慣らしていく必要がありそう。後は角藤氏しだいって事かな。


 「友達が出来たんか。麻居はん、軽本はん。あんがと」

 「笑也さん?もうトイレには籠らないわね?」

 「分かったで」


 これで依頼解決か。


 「よろず部マイマイ。ミッションコンプリート!」


 ドャァ……。一カメェェ。

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