第19話 探す。

 「良かった。後は頼んだぞ。麻居、軽本」


 と言って大野ヶ原先生は去っていく。老兵は死なずただ去るのみ……。「何で老兵何かな軽本?」ヒッ!何でそんな怖い目付きするの?キラーアイ流行っているのかな。


 「恋吉さん!!」


 マイマイは勢いよく立ち上がる。「うおっ」ちょっとびっくりした。


 「なんでキョドってるのよ恋吉さん。行くわよ」

 「べ、別にキョドってなんかねーし」


 未成年だけどタバコ反対から吸っちゃいそう。マイマイは燃えている。エスカルゴ?


 「どこに行くんだよ。麻居氏」

 「笑也さんの所よ、分かっているでしょう」

 「明日にしたら良いだろ?」

 「善は急げよ、恋吉さん」


 俺氏は首を傾げる。


 「角藤氏がいる場所は分かっているのか」

 「分からないわよ。だから探すの!」


 いきなりすぎるだろ。余りにもストレートすぎる。しかしマイマイは強烈なリーダーシップで俺氏を引っ張って行く。


 「しょーがない。行くか」


 俺氏達は部室を出る。


 「普通の生徒なら部活してるだろ」

 「部活してるなら友達がいるのじゃない?」


 それもそうか……。


 「とりあえず教室へ行くわよ。初めての依頼。見事に解決して評判を上げるの」


 何処にいるのか。部活してなかったらもう下校してるよな。角藤氏が部活に入っていたら見つけやすいのだが。どの部にも入ってないだろうな。……じゃあ帰ってるじゃねーかよ。


 「角藤さんとは同じクラスよ」


 エェェぇー。そうだったの?……確かに突っ伏してたヤツがいたな。一人だったぞ。あっ!もしかしたら火脇氏に指を指された生徒だったのかもしれない。そいつ馬鹿だったのか?“クズ”について分かる事があれば良いがな。そして教室の扉まで来た。


 「教室に入って見るわよ」


 勢いよく扉を開く麻居氏。

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