イーストンの危機
イーストン司令官はパルスレーザーガンを偽ローグ大尉に向けながら言った。
「お前は
「ふふふ。そうだ。俺はモニカだ。俺はこの手でしっかりとつかまえた人間そっくりに姿を変えることができる。その人間は死んでしまうがな」
偽ローグ大尉はイーストン司令官に近づこうとした。
「そばに来るな! このパルスレーザーガンが見えないか?」
「そんなもの怖くないわ! 撃つなら撃ってみろ!」
偽ローグ大尉はさらに近づいてきた。イーストン司令官はパルスレーザーガンを撃った。そのまぶしい光の束は偽ローグ大尉に命中したが、すべて表面で吸収されてしまっていた。
「まさか!」
「そうだ。そのまさかだ。ヤン博士はパルスレーザーを遮断するシールド装置の開発に成功したようだ。奴の部屋のこれがあった」
偽ローグ大尉は小さな装置を手に取って見せた。それはまさしくヤン博士が開発中のものだった。
「これを持ち帰れば貴様らなど怖くない。ただしその前にお前を殺す!」
偽ローグ大尉が迫ってきた。イーストン司令官はパルスレーザーガンの柄で殴りかかろうとしたが、すぐに倒されて組み伏せられた。偽ローグ大尉はイーストン司令官をがっちりつかまえるとその顔を変えていこうとしていた。
「うううっ・・・」
イーストン司令官は頭が締め付けられるような痛みに苦しくなり声を上げた。だが気力を振り絞って偽ローグ大尉をはねのけた。
「コンピューター! ロックを解除! この部屋を外部に開放!」
「了解。ロックを解除。窓側壁面の一部が開きます」
イーストン司令官の指示で部屋の壁が割れるように外に開いた。その外は
「うわあ!」
「コンピューター! 元に戻せ!」
「了解。壁面を元に戻します」
割れた壁が元に戻り、部屋は元の状態に戻った。そこにフォレスト少佐がパルスレーザーガンを構えて飛び込んで来た。
「司令官! 大丈夫ですか!」
するとイーストン司令官はゆっくり立ち上がって言った。
「ああ、大丈夫だ」
「
その問いにイーストンは壁の方を親指で差した。
「パルスレーザーガンで撃って外に放出した。ローグ大尉に化けていた」
「ローグ大尉に?」
「ああ、そうだ。奴はつかまえた者の姿に変われるようだ。それでどんどん姿を変えていった。最後がローグ大尉だったのだろう」
ヤン博士の姿から別の者の姿に変えていったために
「その
フォレスト少佐はそう言うと部屋を出て行った。イーストン司令官は「はあっ」と息を吐いてイスに深く座った。
「恐ろしい奴だった。そっくりに化けられるのだからな。ともかくこちらの機密を持ち出されずに済んだ。もしそうなっていたら取り返しのつかない事態に陥っているかもしれない・・・」
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