報仇の剣 ー九刀剣・三国時代編ー
熊谷 柿
序章
第1話 戦乱の前兆、流星雨
星空の下、柔らかに吹いた風には、微かな春の息吹が含まれていた。
南天に眼を遣ると、一面に流星の雨が降っている。妖しい光を放つ流星雨だった。
腰には三振りの剣を
そして、偉丈夫の肩の一方には、奇妙な亀が鎮座している。
見れば、頭に鹿の如き角を生やし、神木に水脈を彫ったような甲羅の後ろに
その亀が、偉丈夫の耳元で囁いた。
「流星雨は、戦乱の前触れと言うが……」
亀が言い終えるや否や、偉丈夫は佩剣している三振りのうち、雌雄二振りの剣を鞘から抜き放った。
右に掲げた雄剣には、
左に掲げた雌剣には、
雄雌が月明かりに照らされ、妖しく光った。
「
亀の言を聞くともなしに、偉丈夫は眼を細め、雌雄二振りの剣を静かに鞘へと収めた。
「英布の子に転生した
亀がそう言うと、偉丈夫は顔を前に向け、流星雨へと向かい静かに歩を進めていた。
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