三層コンフリクト法 という新しい作劇法

浅里絋太

既存作劇法は万能なのか?

世の中にはさまざまな作劇法がありますが、うまく使いこなせていますか?


もしそれで足りていたら、ぜひ今のままでよいと思います。


本稿では、既存の作劇法ではうまく小説がまとまらない方のために、僕が考えたストーリー構成の技法を紹介します!



その名も『三層コンフリクト法』というものです。


うさんくさい!


かも知れませんw

まあ、せっかくなのでちょっと、カッコつけてます。

ざっといったん、要点を書いておきます!



▼本稿の対象読者

三幕構成や既存の作劇法ではうまく小説がまとまらない人。

特に、プロット展開に引っ張られてキャラが薄くなる人。

自己受容や成長による物語を書く人。



▼筆者の取り組み

僕自身は、文芸寄りのハイファンタジーや和風伝奇を中心に書いています。

ライト文芸や一般文芸の賞で途中選考までは進むようになってきました。

ちなみに、三幕構成とかでもそれなりに書いてきましたので、別に既存作劇法を否定してはいません。

『僕が既存作劇法では越えられない壁を越える』ために整理したメソッドなのです。



▼言いたいこと

・既存の作劇法は映画向けの構成であり、そのまま小説に当てはめると難しいことがある

・特に成長型物語だと既存の作劇法がはまりにくい

・そこでキャラクター探究型の作劇法を提案する



▼既存作劇法の課題

これに関しては以下の記事も以前に公開しました。


作劇法に注意! 小説は映画じゃない

https://kakuyomu.jp/works/16818093083505085063


僕自身が以前は三幕構成とかで、物語をまとめようとしていたのです。

しかしその結果、『三幕構成とかだと話がまとまるけど、キャラがスカスカでおもしろくない』

ってなっていたのです。(僕の問題です!)


ちなみに映画向けの作劇法については、僕のエッセイでこんな論点に触れています。


映画の制作コストは非常に高く、失敗が許されません。なので、役者を動かす前にシーンを落とし込む必要があります。

……

作劇法を前提にしすぎると、高レイヤーの思考が固着化する可能性を感じます。

……

作劇法でプロットを作成した際に、ボリューム管理に失敗することがあります。

それは、『あるシーンの伝達において、映画の時間は不変。小説の叙述の長さは可変』

だからです。



▼三層コンフリクト法のメリット

・キャラが常に勝手に悩んで勝手に動く

・アドリブ入れても破綻しにくい(先にキャラの方向づけ、テーマ、どんでん返しを決めるから)

・中弛みしにくい(常にどこかがコンフリクトで緊迫してる)

・既存法ではありえないプロットもいける

・プロット展開を定義しないので三幕構成などと併用もできる



▼三層コンフリクト法のデメリット

・はじめのコンフリクト設計が繊細

・エンディングでの伏線回収にボリュームがかさむ(三層全部回収するから。しかし、回収をエピローグに回せるから、これはこれでエモくできる)

・自己受容や成長物語に特化していて、他の感動パターンでははまらないかも



▼三層コンフリクト法の概要

『内面葛藤』

『対人葛藤』

『世界や運命との衝突』

この三層のコンフリクト設計を研ぎ澄ませる、って話なんです。コンフリクト=競合やぶつかりです。


この三層のコンフリクトを常に衝突させながら、緊迫感をもって揺らぎをつくる。うねらせていくのが醍醐味!

なので、

既存 一本筋(僕からすると!)

三層 行きつ戻りつ揺らぎ続ける

って読み味になり、キャラ駆動感が加速します。



さて、もし「三層コンフリクト法、おもしろそうじゃん」と思えたら、参考にしてみてください⭐︎



ちなみに、以下の記事でも三層コンフリクト法について触れていますが、今回は実作への適用を積み重ねた上での、完成版を公開しようとしています。


▼本格ハイファンタジーを書いてみよう!

https://kakuyomu.jp/works/16818093085696782381



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